研究課題/領域番号 |
17K18492
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
長谷川 修一 立教大学, 文学部, 准教授 (70624609)
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研究分担者 |
矢田 尚子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10451494)
馬場 紀寿 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (40431829)
辻 学 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (50299046)
森山 央朗 同志社大学, 神学部, 准教授 (60707165)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 聖典 / 経典 / 古典文学 / 先入観 |
研究実績の概要 |
2018年度は、2017年度に定めた方針に従って、各研究班によるミニ研究会に注力した。一例をあげれば、研究代表者が主催する『旧約聖書』班は、2018年6月5日に立教大学において第2回のミニ研究会を開催し、大学院博士後期課程の研究協力者が「ヨブ記における神の言葉 ―ヘブライ語聖書における「神」という登場じん物についての一考察」という研究発表を行った。本発表では、ヘブライ語聖書における「神」という物語のなかで言葉を発する「登場じん物」について、神は最後の論者として登場するヨブ記を解釈する際、その文言に貼られた「神」というラベルがどのような影響を与えているかについて問題提起がなされ、その後三人の参加者によって討議された。 2019年3月27日には、研究代表者1名・研究分担者3名に加えて各研究班から研究協力者計3名が、分担者の所属機関である広島大学の東千田キャンパスに集まり、全体での第3回研究打ち合わせを実施した。そこでは研究進捗状況と成果が報告され、意見交換をした。また、中国古典分野の研究分担者が研究経過報告として孔子のある発言に対して歴代の注釈がどのようにそれを解釈してきたのかを回顧しつつ、孔子の聖人化との関連について考察した。加えて、新約聖書分野の研究分担者も、「マタイ福音書におけるユダヤ教/キリスト教の境界線をめぐって」という報告を行い、イエスが神として新約聖書において表象されているのかどうかという問題について論じた。その後、次年度の研究計画が定められた。次年度は同様の研究打ち合わせを秋期に分担者の所属機関のある仙台で、その後、本研究の総括として研究代表者の所属機関である立教大学において公開シンポジウムを開催する方針が決定された。 これらの研究成果は研究代表者、研究分担者2名それぞれの単著書籍に代表されるに学術出版物おいて刊行された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個々の研究分野によるミニ研究会を中心とした研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、各分野ごとの小グループによる年二回のミニ研究会と各メンバーが所属する学会で本研究の趣旨に沿ったワークショップなどの計画を進める。また、全体の研究会を年一度開催し、各分野でのミニ研究会の内容を持ち寄って討論する。各メンバーはその内容を各ミニ研究会に持ち帰って研究を深化させる。研究期間最後に開催を予定している公開シンポジウムの計画についても引き続き案を練る。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に打ち合わせの出張をしたために、精算が翌年度に繰り越しとなった。2019年度は各班によるミニ研究会、仙台における打ち合わせ、立教大学における公開シンポジウムを計画している。また当初の計画通り関連書籍も購入する。
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