研究課題/領域番号 |
17K18495
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
赤間 亮 立命館大学, 文学部, 教授 (70212412)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | くずし字翻刻 / 古典籍 / グループ学習 / オンライン研究会 / オンライン授業 / 電子テキストアーカイブ / AI / ディープラーニング |
研究実績の概要 |
本研究では、歴史的典籍テキストアーカイブの現場として、1,海外日本研究者、2,大学等の高等教育機関、3,地域の歴史・文学愛好者という3つのフィールドを明確に定め、特に初級・中級レベルの参加者が解読能力を高速に身につけることのできる育成効果の高さを特長とするシステムを開発し、今後日本の諸機関が開発運用すると思われる電子テキストアーカイブのプラットフォームの一つとして、役割を担うことを目指している。 システム開発については、ほぼ一昨年度までに完成・実用レベルに達しており、本年度は、このプラットフォームの本格的な普及・実証実験について、研究代表者が学外研修(海外1年)期間であったことを踏まえ、欧米各国でのワークショップの複数回実施を予定していたが、コロナ禍の影響により一切開催ができなかった。しかしながら、国内では、舞鶴工業高等専門学校での授業での、前期後期においての導入によって、理系生徒・学生に対する国語・文字教育における効果を実証できた。舞鶴市では、この授業を受けて、舞鶴市の文化財を使った市民向けのくずし字講座を実施したが、授業で使用方法を身につけた学生が、講座の補助にまわるなどの副次的な効果もあった。 とりわけ今年度は、ポストコロナ時代を見据えたシステムのバージョンアップを実施した。コロナ禍でのオンライン型コミュニケーション環境が急速に進化したのを受け、システム的には、より柔軟に授業・講座の準備ができるよう教材選択機能を追加するなどの改良を行い、また利用マニュアルのオンライン公開・翻刻規則の公開など、指導者側の環境を整えることで、オンラインでのくずし字講座・授業がスムーズに実施できるようになった。加えて、初級者向けの教育素材の充実を図り、システムに搭載した。 2021年度は、コロナ禍の影響を受けずに、オンライン・オフラインでの講座・授業を繰返すことで、本研究を結実させたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により予定していた対面型ワークショップが全て中止になったため。一方でシステムのオンライン対応を行ったことにより、次年度進捗を回復できる。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍により、世界でオンラインコミュニケーション環境が急速に進んだため、対面型でのワークショップは必須ではなくなった。本年度、システムを改良しオンライン型に対応できる環境が整ったことにより、実証実験を兼ねたワークショップ・講座を複数開催する予定であり、これにより教育効果を重視する歴史的典籍電子テキストアーカイブシステムの完成型としての研究成果を残したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、予定していた海外での講習会が全く開催できなかったため。来年度は、状況を見極め、必要に応じて対面型講習会も開催するが、できない場合も、今年度行った講習用素材と、Zoom等を併用したオンライ型システムへの改良を基盤に、チューターの充実によるオンライン展開によって助成金を執行する。
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