研究課題
最終年度となる今年度は、促音(重子音)を日本語のモーラ構造、リズム構造という広い視点から考察した。韓国の研究者との共同研究として、句末・節末の長音化に着目して日本語のアクセントとモーラ構造の関係を分析し、日本語のモーラの特性と、英語や韓国語との異同を明らかにした。この研究は国際会議(International Congress of Phonetic Sciences)での共同発表と、アメリカ音響学会誌Journal of the Acoustical society of Americaへの論文掲載という形で結実した。また、日本語の呼びかけイントネーションや応援音頭に見られる母音長の中和とアクセントの中和を分析し、限られた音韻環境において中和が起こることを明らかにした。この成果は韓国における国際ワークショップと国内のワークショップで発表し、国内のジャーナルに投稿・刊行した。さらに、オノマトペ(擬声語、擬態語)と赤ちゃん言葉の異同を分析する中で、日本語においてモーラが果たす役割を明らかにした。この成果は海外の出版社(John Benjamin社)から出版された論文集に掲載された。これらの学会発表、論文刊行と並行して、国内で3日間の国際シンポジウム(The 6th International Conference on Phonetics and Phonology)をカリフォルニア大学サンタクルズ校と合同で開催した。計130名の研究者を集めたこの会議では、50名近い海外からの研究者の参加を得て、計61件の研究発表があったが、この中には促音やモーラ、リズムに関係する研究も多数含まれている。またソウル大学言語学科と共催で国際ワークショップを開催し、日本語と韓国語の異同について議論する場を提供した。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
Kobe Papers in Linguistics
巻: 12 ページ: 69-79
Ideophones, Mimetics and Expressives
巻: -- ページ: 35-56
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The Journal of the Acoustical Society of America
巻: 146 ページ: 1817-1823
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