研究課題/領域番号 |
17K18531
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研究機関 | 九州国際大学 |
研究代表者 |
花松 泰倫 九州国際大学, 法学部, 准教授 (50533197)
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研究分担者 |
地田 徹朗 名古屋外国語大学, 世界共生学部, 准教授 (10612012)
浅田 晴久 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (20713051)
柳澤 雅之 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (80314269)
大西 健夫 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (70391638)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | ずれ / ナショナルボーダー / 環境ボーダー / 社会ボーダー / マルチスケール |
研究実績の概要 |
令和2年度は、年度当初より新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初予定されていた現地フィールド調査、国内学会報告と査読誌の論文特集号への投稿がすべて実現できなかった。感染状況の推移を見ながら現地フィールド調査や研究会開催の機会を窺っていたが、年度末に至るまで物理的な移動を伴う研究活動を行うことが不可能であった。そこで、令和2年末にZoomによるオンラインミーティングを開催し、当年度に実施可能な共同研究の方法および本研究課題の最終的な成果のとりまとめの方向性について議論した。その上で、前年度までのフィールド調査の成果をもとに令和3年1月に公開オンラインセミナー「ユーラシア国境域の自然環境と境域社会の生活戦略」を開催し、その成果を京都大学東南アジア地域研究研究所CIRAS Discussion Paperにまとめた。そこでは、すべてのフィールドに共通する特徴として、冷戦終焉前後でのボーダーの可視化(境界化)が起きており、境域の人びとも多孔性を利用した見えないボーダーよりも可視化されたボーダーを利用するように生活戦略が変わってきていることが指摘された。他方で、自然的境界に沿って引かれたナショナルボーダー(国境)を越境する形で社会的および政治的活動を行われるがゆえに透過性の高いボーダーになりがちな地域がある一方で、自然(環境)ボーダー、社会ボーダーとナショナルボーダーをすべて一致させようとするウェストファリア的なボーダーもあり、ボーダーの引き方および運用に関する性質のパターンを理論的に整理する必要があること、さらには、国家や大国の影響をすり抜けるような境域社会での生活戦略が存在する一方で、大国の行為による境域への影響は避けて通れない側面もあり、マルチスケールな主体による境域社会への影響をどう捉えるかが今後の課題になることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初は最終年度の研究取りまとめに向けて現地調査を秋までに終え、年度後半には北海道大学スラブユーラシア研究センターが発行する「境界研究」への投稿を準備する計画であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、北東アジア、中央アジア地域、南アジア地域および東南アジア地域での現地フィールド調査を実現することができない状況となった。それに伴って、各フィールドでの調査結果の比較および分野横断的な検討が十分に実施できておらず、 予定していた国内学会報告および査読誌への論文特集号の投稿に至っていない。以上の背景を踏まえ、研究期間をさらに1年間延長することを決定した。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を再度延長するかたちで最終年度となる今年度においては、実施できていない現地フィールド調査の実施可能性を見極めつつ、研究課題の観点から実現可能な国内でのフィールド調査の可能性を検討する。その上で、国内学会報告および査読誌への論文特集号の投稿を目指す。今後も新型コロナウィルスの感染状況は予断を許さないが、適宜計画を柔軟に変更しながら年度末の成果発表に向けた準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大により、海外の研究対象地域での現地フィールド調査およびそれに基づいた国内学会報告等を実施することができなかった。そのため、研究期間を再度延長したうえで、当初予定していた海外の研究対象地域での調査を検討しながらも、場合によっては研究計画に沿う形で日本国内でのフィールド調査に切り替え、学会報告および査読誌への投稿につなげる計画である。
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