研究課題/領域番号 |
17K18533
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
長津 一史 東洋大学, 社会学部, 教授 (20324676)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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キーワード | 海域世界 / 境域 / アジア地域像 / インドネシア / 越境移動 / ティモル海域 / 国境 |
研究実績の概要 |
2021年度も、新型コロナウィルス感染拡大のため、予定していた海外調査を実施することはできなかった。国内では、インドネシア・オーストラリア国境地帯の調査経験を持つ間瀬朋子氏(南山大学)の協力を得て、豪尼間の海民の移動とその制度的背景に関する資料・データを整理した。その他、昨年度に続き、オンラインでインドネシア東部からオーストラリア北部に至る人・モノ・技術の移動交流史に関する資料調査をおこなった。整理した資料の一部は、バジャウの移動史に焦点をおいた資料集において公表する予定である。 成果としては、分担執筆の論考「アジアとオーストラリアを繋ぐ人びと――海域世界の視座から」および「タマリンドが語るもうひとつのオーストラリア史」『大学的オーストラリアガイド』鎌田真弓(編著)(昭和堂)、Maritime Diaspora and Creolization: A Genealogy of the Sama-Bajau in Insular Southeast Asia. In, Sea nomads of South-East Asia Past and Present, (NUS Press)、「バジャウ人の移動する生き様」『コモンズとしての海』秋道智彌・角南篤(編著)(西日本出版社)を刊行した。他に、12月9日の『インドネシア研究懇話会第3回研究大会』で“The Sea Peoples’ Arts of not Being Governed: Genealogy of the Bajau and its Political Settings in Nusantara”と題する口頭発表をおこなった。 オーストラリア調査は新型コロナ感染の収束を待って実施する。バジャウの移動に焦点をおいた豪尼間移動交流に関する基礎データは、上述の資料集にまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定されていたオーストラリアでの歴史表象に関する調査が、新型コロナウィルス感染拡大のため実施できなかった。豪尼間移動交流に関する基礎データを含む資料集も、同調査の成果を欠いたため、完成までには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
オーストラリアでの歴史表象に関する資料調査は、新型コロナウィルス感染状況をみきわめながら夏期休暇以降に実施したい。『豪尼間移動交流研究のデータベース(DB)』は、バジャウの移動に焦点をおいたものに内容を変えて、別の資料集に掲載する予定である。同資料集は東洋大学アジア文化研究所の刊行物として公表する予定である。現時点では、研究内容じたいの変更はしていない。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:新型コロナウィルス感染拡大により、オーストラリアでの歴史表象に関する資料調査を実施できなかったため。 使用計画:新型コロナウィルス感染状況をみきわめながら夏期休暇以降に、オーストラリアにおいて歴史表象に関する資料調査を実施する。
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