研究実績の概要 |
2022年度、国内では豪尼間の海民の移動とその制度的背景に関する資料・データを整理した。2023年3月にはインドネシアにおいて同国東部からオーストラリア北部に至る移動交流の歴史表象に関する資料調査をおこなった。新型コロナ禍による調査日程の調整のため、整理資料を年度内に公表することはできなかった。バジャウの移動史に焦点をおく資料集は2023年度中に公表する予定である。 研究機関全体を通じて公表した成果としては、分担執筆の論考「アジアとオーストラリアを繋ぐ人びと―海域世界の視座から」および「タマリンドが語るもうひとつのオーストラリア史」『大学的オーストラリアガイド』鎌田真弓(編著)(昭和堂)2021、Maritime Diaspora and Creolization: A Genealogy of the Sama-Bajau in Insular Southeast Asia. In, Sea nomads of South-East Asia Past and Present, (NUS Press)2021、「バジャウ人の移動する生き様」『コモンズとしての海』秋道智彌・角南篤(編著)(西日本出版社)2022、「マカッサル海道――海民が紡ぐ混淆と繁栄の空間」『(雑誌)K』5(近刊)を公表した。他に、学会では『インドネシア研究懇話会第3回研究大会』で“The Sea Peoples’ Arts of not Being Governed: Genealogy of the Bajau and its Political Settings in Nusantara”(2021年12月9日)、『東京大学HMC第84回オープンセミナー』で「バジャウとマグロ―海民のグローバルヒストリーを考えるための素描」(2022年10月14日) を発表した。
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