2018年度には、アンケート調査結果の分析を行うとともに、その分析結果を携えて、「社労士の将来に関する検討会」を主要地域の社労士会で実施し、調査結果についての社労士の様々な意見を聴取した。 「検討会」は全国社会保険労務士会連合会および社会保険労務士総合研究機構の支援を受けて行われた。「検討会」では、現状どのような業務が増えているか、外国人労働者の急増やテレワーク対応など新しい労務課題と社労士の役割はどうなっているのか、そして、これからの社労士の進むべき方向性(より高い「法的専門性」を目指すべきか、「高度ジェネラリスト」を目指すべきか)といった論題について、かなり踏み込んだ意見交換を行った。 「検討会」では、社労士の多くが、社労士法1号・2号業務(社会保険や労災保険等の書類作成代行・提出といった手続業務)になお収入の多くを依存しつつも、労務に関わる経営課題にますます大きく関わるようになってきており、特に、就業規則の整備やアップデート作業を行うことを通じて、社労士法3号業務の比重を増やしてきていることは、どの地域でも見られる一般的傾向であることが窺われた。また、技能実習生をはじめとする外国人労働問題、メンタルヘルス疾患の問題や職場のハラスメント問題、労働条件審査の課題、ジェンダー・LGBT問題、職場のAI化による勤務形態の多様化、病後の職場復帰の問題などに積極的に関わっていることが理解された。 アンケート調査結果の概要は全国社会保険労務士会連合会の会報『月刊社労士』で公表したほか、調査結果詳細と「検討会」での議論の反訳(編集済み)は研究成果報告書(冊子とPDF)にまとめて公表した。
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