研究実績の概要 |
国際的な法律紛争の場合、当該紛争の解決のためにいずれの国の法を適用すべきかを判断する(「準拠法」を決定する)プロセスが不可欠になる。準拠法決定規範である国際私法の総論的研究を理論面から発展させることを将来的な目的として、本研究課題は、数学的概念を用いた国際私法規範の記述を提案することを目標としている。その初年度にあたる平成29年度においては、写像・像・逆像という数学の概念を用いて、準拠法決定のための国際私法規範の構造を記述するための数理モデルの原案を構築した。同年度中に、その成果の一部をとりまとめ、国際カンファレンスに応募した結果、採択され、平成30年度に研究発表することが決定した(Ren Yatsunami “Preliminary Study on Mathematical Model of Asian Conflict of Laws,” 15th Asian Law Institute Conference ‘Law into the Future: Perspectives from Asia,’ Seoul National University (SNU) School of Law, 10-11 May 2018)。 また、国際私法の構造の記述・分析するための数理モデル原案の課題を特定・検証するために、国際私法分野の裁判例の収集・分析を進めているところであり、その成果の一部として判例評釈の執筆も行った。
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