| 研究課題/領域番号 |
17K18554
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| 研究機関 | 筑波大学 |
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研究代表者 |
堤 盛人 筑波大学, システム情報系, 教授 (70292886)
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| 研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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| キーワード | 組成データ / CoDA / 社会経済データ |
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| 研究実績の概要 |
組成データ解析（Compositional Data Analysis：CoDA）の社会経済データへの応用を主眼に、既存の統計分析手法を俯瞰・体系化し、その新たな展開の可能性を探ることを目的に、本年度は研究実施計画に基づき以下の内容を実施した。
（１）社会経済分析における組成データの類型化を試みるべく、その特徴を整理するため、伝統的な計量経済学を中心とした応用統計学においてどのような組成データが扱かわれてきたかについて既存の事例をレビューし、人口構成（性別、年齢階層別）、所得階層、土地利用、地域間ODデータ、交通機関分担率データなど、多様で多岐に渡るデータの利用を確認し、それらの類型化に着手した。さらに、人口構成比と交通機関分担率データを対象とした実証分析を行い、その結果を基に、社会経済分析におけるCoDAの意義について様々な観点から考察を行った。
（２）空間計量経済学におけるCoDAの可能性を検討するため、空間計量経済学の考え方に基づき、空間データの特質である空間依存性（相関）と空間異質性を考慮した新たな方法論の開発に着手した。具体的には、Compositional multivariate conditional autoregressive (CMCAR) model に空間重み行列を導入した定式化を示した。その上で、実際の土地利用のデータを対象に提示したモデルを適用し、空間相関を考慮する上で空間重み行列が重要な役割を担うこと、適切な空間重み行列を選択することで従来のCMCARモデルよりも精度の高い予測が可能となることを確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究実施計画において、（１）社会経済分析におけるCoDAの意義の明確化 （２）空間計量経済学におけるCoDAの可能性を検討 に着手することとしていた。
（１）については、社会経済分析における組成データの類型化を進め、さらに、人口構成比と交通機関分担率データを対象とした実証分析の結果を基に、社会経済分析におけるCoDAの意義について様々な観点から考察を行った結果、社会経済分析におけるCoDAの意義が明確になり始めている。
（２）については、CMCARモデルに空間重み行列を導入した定式化を示し、実際の土地利用のデータを対象に提示したモデルの適用を通じて、空間相関を考慮する上で空間重み行列が重要な役割を担うこと、また、適切な空間重み行列を選択することで従来のCMCARモデルよりも精度の高い予測が可能となることを確認した。これにより、空間計量経済学におけるCoDAの可能性が開けつつある。
このように、年度当初の計画に沿って概ね研究が順調に進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
申請時の計画に沿って研究を進めながら、査読付き論文等での研究成果の発表を進める。
今年度に続いて、社会経済分析におけるCoDAの意義の明確化、空間計量経済学におけるCoDAの可能性を検討、についての考察を深める。
さらに、時間軸を考慮したCoDAの可能性など、CoDAの新たな展開についての研究に着手する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の体調不良や先方の都合等により、外国人研究者の招聘の調整等が年度内に出来なかったため。
次年度以降なるべく早い段階での招聘を検討中である。
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