本研究の学術的意義は、これまでほとんど研究されてこなかった、兼業を明示的に考慮した交通需要予測モデルの基礎を提供したことである。本研究を発展させた場合の社会的意義は非常に大きい。例えば、大型商業施設の存在を明示的に考慮することにより、周辺の道路の建設をどのようにすべきかを分析することができる。また、本研究で得た、独立採算の条件も、社会的意義は大きい。例えば、どの程度独立採算が可能かによって、道路への課金水準を明らかにすることができる。また、大型商業施設の存在により道路の整備が必要な場合に、大型商業施設が道路整備費を負担すべきか、負担する場合はどれくらいが適当かを計算することにもつながる。
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