標準的ゲーム理論において想定される直面する状況を完全に把握し、その元で演繹的な推論を行う完全合理的主体の想定を緩め、限定合理的で経験を通じた帰納的推論を行う主体を想定した意思決定理論を構築した。経済理論がこれまで演繹的なアプローチに終始していた中、帰納的推論の観点から説明可能なこれまでとは異なる方法論に基づいた理論を構築している。このことは、人間の持つ帰納的能力の意思決定における役割を分析するための有用な枠組みになると考えている。また、帰納的推論は実験・実証データとの相性が良く、理論の科学的検証をより精緻に行うことにもつながる。このため、近年のデータサイエンスの発展の一助となる。
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