研究課題/領域番号 |
17K18571
|
研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
赤岡 広周 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (70571074)
|
研究分担者 |
赤岡 功 星城大学, その他, 学長 (10025190)
李 在鎬 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40342133)
姜 判国 四国大学, 経営情報学部, 教授 (50405510)
中岡 伊織 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 准教授 (50469186)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
キーワード | 特許分析 |
研究実績の概要 |
自動車産業は、これまで日本が国際競争力を維持してきた分野であるが、"CASE"に代表される自動車の変革期を迎えた現在、自動車づくりにおけるIT、半導体業界などの重要度が増している。自動運転等に関連して自動車の研究開発のポイントが変容しつつある現在において、本研究では日本企業の競争力の現状および、自動運転に関連する技術について、国内企業の研究開発能力を測定することを目的としている。 本研究の研究にあたっては、研究開発能力指標として、特許情報データベースに注目した。その際、重要技術の抽出方法として引用関係の分析を行った。多くの文献から引用された特許であれば、業界の形成に一躍を担った重要技術であると解釈されるからである。 前回の研究では、自動運転を構成する技術のひとつとして、カーナビゲーションの特許分析を行った。その結果、特許申請という尺度でみると、国内企業(ICT、自動車)のカーナビ関連技術開発が一段落したとみられる時期に、海外企業の保有特許の引用が増加傾向に転じるという変化が見出された。これに対し、本研究の分析では、同様の変化は見られなかった。いっぽう、期間後年には「自動」「予測」「経路」「渋滞」「駐車支援」というキーワードを含む特許がランキング上位に見受けられるようになったという結果が示された。自動運転はレベル1からレベル5までが規定されている。この結果は、時間とともに研究開発がより高次の自動運転のレベルへと及びつつあることを示唆するものと考えられる。 ここまでの研究結果について、複数の学会発表等を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに行った分析では、その方法上、自動運転に関連するキーワード、コードを含む特許が対象となっている。このため、たとえば汎用デバイスなど、必ずしも自動運転に特化しない技術であるが、自動運転を構成するうえで重要となる技術が、分析において正しく考慮されていないという課題が生じた。その点の解明が自動運転技術のトレンドを分析するうえで今後必要となったため。
|
今後の研究の推進方策 |
特許分析において用いるキーワード、コードを再定義したうえでさらなる分析を追加実施する。これまでの分析で使用した自動運転に特化したキーワード、コードに加え、汎用性のあるデバイスであって、自動運転を構成する可能性があるものについても対象とした分析を再度行い、最終的な結論の導出を目指す。そのうえで、学会発表および論文執筆により成果発表を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初は2か年計画として研究課題の申請を行った。これに基づき自動運転に関する特許分析を行ってきたが、研究の過程において、必ずしも自動運転専用としないが、自動運転を構成するうえで重要となる各種技術に関しても分析対象とすることが課題として生じた。この分析が当初の予定期間内に終了しなかったため、今後も継続して取り組む必要性が生じた。そのため本研究課題の遂行について期間延長を申請した。次年度においても研究会開催、学会報告等の活動を行い、これに対し次年度使用額を充当する。
|