研究課題
本研究は自動車産業の市場構造の変化に着目し、背景を明らかにするため技術開発動向と、自動運転関連各社の技術開発能力を測定する。指標として、特許情報を用いた。特許は技術開発の成果であるからである。第1に、自動運転にかかわる各社を完成車メーカー、部品、ICT業界に分類し、特許出願件数の推移を分析した。第2に、自動運転技術における重要技術を明らかとするため、特許の引用情報から重要特許を抽出した。これを時系列的に行い、技術開発のトレンド推移を分析した。加えて、この重要特許は完成車、部品、ICTのいずれによるかを明らかとすることで、技術開発のキープレイヤーの遷移を考察した。分析の結果、第1に、日本特許は90年代半ばに大きく増加し、2015年頃再度大きく増加していた。英語特許は2005年頃から加速し、2010年代も大幅増を続けていた。半導体技術等の向上の時期とのリンクが窺える。第2に、日本特許では90年代から技術開発が堅調であったが「駆動装置の関連制御、車両の運動制御」に分類される開発は2000年以降顕著であった。また完成車メーカーの技術開発は、部品およびICTと比較して、幅広い分野にわたることが示された。また、部品とICTでは、技術開発の重点領域は異なることが示された。英語特許では、完成車メーカーによる技術開発は90年代から、部品およびICTにおいては後年からであることが示された。なお2000年以降の部品およびICTにおける技術開発領域は比較的広い。第3に、全期間においてランク上位を占める技術とは、自動運転レベル2にかかる技術であることが示された。レベル3にかかる技術のランクインは2000年以降である。第4に、全期間を通じて、開発の中心的存在は完成車メーカーであった。部品、ICTは90年代以降増、特にICTは2000年台に入り比率が一旦下降したが、2015年頃から再度上昇傾向にあった。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
經濟論叢
巻: 194(2) ページ: 129 - 146
実践経営学研究
巻: 11 ページ: 19-26
広島国際研究
巻: 25 ページ: 17-27
四国大學経営情報研究所年報
巻: 24 ページ: 23-36
Proceedings of the 2019 International Conference on Artificial Life and Robotics
巻: 1 ページ: 51