研究課題/領域番号 |
17K18573
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
小川 一仁 関西大学, 社会学部, 教授 (50405487)
|
研究分担者 |
渡邊 直樹 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 准教授 (20378954)
田口 聡志 同志社大学, 商学部, 教授 (70338234)
高橋 広雅 広島市立大学, 国際学部, 教授 (80352540)
尾崎 祐介 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (80511302)
藤井 陽一朗 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (80635376)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
キーワード | 経済実験 / 大学横断型被験者プール / 認知能力 |
研究実績の概要 |
2019年度前期は、研究グループが所属する広島市立大学、同志社大学、関西大学、大阪産業大学において、2018年度に収集しきれなかった経済実験を実施し、データ収集を終了した。実験の内容については、2018年度に記載したとおり、Hanaki et al.(2017)で用いられたWeighted Voting Gamesに関する実験である。18年度と同様に、情報の与え方が異なるトリートメントを3つ実施し、終了後に認知能力(Raven's progressive matrices, 以下ではRaven's score)を収集した。この実験では個人が期待利得が高い選択肢をどのように学習するか(しないか)を分析することができる。 2019年度後期には、各大学で得られたデータを整形し、分析可能な形のデータセットを構築した。その上で所属大学の違いがゲームでの意思決定に影響を及ぼすかどうかを分析した。具体的には、所属大学の違いを傾向スコアで表現し、スコアの違いが有意に存在するかどうかを検討した。その結果、所属大学の違いをRaven's scoreや性別、所属学部(理系学部か経済系学部かそれ以外か)などで統御することで、多くの場合、所属大学の違いを非有意化できることがわかった。しかし、広島市立大学(中国地方)と関西大学(関西地方)のような地域の異なる大学間の違いは、今回の分析では、有意な差が残ったままであった。 以上の研究の結果から、同地域であれば認知能力や、学部、性別を収集することで、その地域に所属する大学の間で一つの参加者プールを構築できると結論づけてよい、と考えられる。地域が異なる大学についてはさらなる変数の追加が必要かもしれない。
|