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2019 年度 実績報告書

国家間の電力貿易を阻害する内政的要因の特定と外交的要因に比した際の卓越性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K18578
研究機関東京大学

研究代表者

中山 幹康  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (10217945)

研究分担者 佐々木 大輔  東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (30784889)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード電力 / 貿易 / 内政 / 外交
研究実績の概要

国家間での電力の貿易計画の多くは実現の見通しが立っておらず、一般には関係国間の外交上の問題が障壁であると解釈されている。しかし、関係国間の「外交」ではなく、貿易に関与する国における「内政」上の問題が、電力の貿易が実現を妨げていることを本研究は明らかにした。
米国、ハワイ州では経済活動の中心であるオアフ島での自給が隘路となっている。その解決策として、再生可能エネルギー源が豊富な他島からの送電が検討されているが、現状では実現の見通しが立っていない。オアフ島に送電(売却)する立場であるマウイ島およびハワイ島に於いて、環境保護団体が風力発電所の建設に反対するキャンペーンを展開し、その結果として住民からの賛同が得られなかったことが、その原因であることを明らかにした。
インドへの電力貿易が実施されているブータンと、インドへの送電が実現に至っていないネパールを比較検討した結果、ネパールについては、その地形的な条件から発電価格が高価であること、国内で技術者が欠如している為に水力発電所を設計・建設する際の諸コストが高いこと、政治的に不安定で長期的な経済開発計画がを立案し得ないこと、などが同国での水力発電による他国への電力輸出を妨げていることを明らかにした。
中央アジアのタジキスタンでは、同国では複数の電力輸出計画が、国際機関が主導する形で進められている。しかし、同国内に於ける行政官および技術者がこ非力であることから、本来であれば同国が主導すべき「援助国協調」が有為には機能していないことを明らかにした。
中東に関しては「湾岸諸国電力網」計画を事例とした。同電力網に参加している国々は産油国であり電力を他国から輸入することには熱心で無いこと、電力貿易の実現には不可欠な国家間の信頼関係不十分であること、参加国を「ネットワーク化」することの便益が希薄であること、を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] アジア開発銀行(フィリピン)

    • 国名
      フィリピン
    • 外国機関名
      アジア開発銀行
  • [国際共同研究] カリファ大学(アラブ首長国連邦)

    • 国名
      アラブ首長国連邦
    • 外国機関名
      カリファ大学
  • [国際共同研究] ハワイ大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ハワイ大学
  • [雑誌論文] Bottlenecks of hydropower development in Central Asia: Failure of aid coordination by development banks2020

    • 著者名/発表者名
      Deguchi Hiroyuki、Sasaki Daisuke、Nakayama Mikiyasu
    • 雑誌名

      Hydrological Research Letters

      巻: 14 ページ: 29~33

    • DOI

      10.3178/hrl.14.29

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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