研究課題/領域番号 |
17K18582
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
宮野 伊知郎 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 講師 (00437740)
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研究分担者 |
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 准教授 (00376956)
北岡 裕章 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (10274375)
安田 誠史 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (30240899)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 医療費 / 医療需要 / 過疎地域 |
研究実績の概要 |
本研究では地域住民における医療・介護費用の要因(性・年齢、疾患名、医療・介護供給主体の要因、社会・経済・政治的要因、自然・地理的環境等)について、過疎地域・非過疎地域間において比較検討を行い、その違いを明らかにすることを目的とする。 平成30年度は、平成29年度に引き続き、既存文献や統計情報の収集を行い、医療・介護費用、および受療行動・介護サービス利用の関連因子として検討すべき項目の整理を行うとともに、平成29年度に作成したデータセットを用いて、対象地域の地域住民の受療行動について分析を行った。 医療・介護費用、および受療行動・介護サービス利用の関連因子として検討すべき項目として、対象となる住民の特徴(性・年齢、居住地)、受療状況(医療機関の所在地、受療の原因となった疾患名、内服薬、入院・外来の種別)、対象地域の医療・介護供給主体の特徴(病床機能、病床数、介護サービスの種類等)、地理的環境(居住地から医療機関までの公共交通機関等)があげられた。 受療行動についてのデータ分析は、診療報酬明細書、調剤報酬明細書等のレセプト情報を用いて行った。レセプト情報を用いてデータベースを構築し、データの抽出・加工を行いデータセットを作成した。対象者の属性(性・年齢、居住地)、受療行動(外来、入院)、疾患名、服薬状況等について分析を行った。その結果、非過疎地域に比べて、過疎地域に在住する住民は外来受診・入院医療ともに、居住する市町村以外の医療機関を受診していることが明らかとなった。特に救急搬送については、過疎地域では救急患者の受け入れが可能な医療機関が乏しく、他の市町村の医療機関への搬送が多い結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、既存文献や統計情報の収集を行い、医療・介護利用状況の要因として検討すべき項目の整理を行った。また、診療報酬明細書、調剤報酬明細書等のレセプト情報を用いデータベースを構築し、データの抽出・加工を行いデータセットを作成した後、受療状況についてデータ分析を行った。おおむね計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和1年度は、作成したデータセットを用い、国民健康保険の被保険者の医療・介護情報の分析を継続する。医療・介護費用と、属性(性・年齢)、受療の原因傷病名、服薬状況、介護度、受療行動(外来、入院)、利用中の介護サービス、医療・介護供給主体の特徴(病床機能、病床数、介護サービスの種類)等の関連について分析を行う。 また、対象地域の社会・経済・政治的背景、自然・地理的環境(居住地から医療機関までの公共交通機関等)を検討項目に加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度はデータセット作成およびデータ分析にかかる経費の一部を使用しなかった。 次年度はデータ分析による分析内容が多く、データ分析経費として次年度使用額を使用する予定である。
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