研究課題/領域番号 |
17K18584
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安藤 究 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (80269133)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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キーワード | 祖父母性(grandparenthood) / 祖父母の過剰消費 / 祖父母と孫の関係 / 祖父母性と福祉国家・社会保障政策 / 国際比較 |
研究成果の概要 |
本研究課題では、祖父母を子育て支援エージェントとして活用しようとする施策が、結果的に「祖父母の短期過剰消費」を生み出すリスクを生む可能性もあることに鑑み、成長した孫と祖父母の関係を有意味なものとする条件を探索的に検討した。その結果、祖父母が子育て支援のエージェントとなる場合でも、祖父母が生活全般を小さな孫の育児支援のみに投入してしまわないような関係性が社会的・文化的な正当性を有することが、十分条件ではないにしろ、孫の小さな時期に集中して「過剰消費される祖父母」を防ぐ必要条件となるという知見が得られた。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の人口学的条件のもとでは、祖父母―孫関係が30年以上に渡ることも珍しくはない。しかし成長した孫と祖父母の関係を有意味なものとする要素については、大規模データでgarndparenthood研究が行われている欧州や北米でも確立した見解は得られておらず、この点で本研究には一定の学術的貢献がある。また、仕事やボランティアを辞めて孫の世話のエージェントとなることは、孫が成長したときに、新聞でも報道された「孫離れうつ」のような、世話役割喪失がもたらすリスクがある。孫の世話をしながらも、孫が成長したときにも有意味な関係を可能とする要素を探る本研究課題は、この点において社会的意義がある。
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