研究課題/領域番号 |
17K18586
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
松尾 加奈 淑徳大学, その他部局等, 准教授 (60727478)
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研究分担者 |
藤森 雄介 淑徳大学, その他部局等, 教授 (20364896)
ゴウホリ ヨゼフ 淑徳大学, その他部局等, 准教授 (80611152)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | ソーシャルワーク教育 / インディジナス / イスラム教的価値観 / ソーシャルワーク価値基盤 / 仏教ソーシャルワーク / ユダヤ教・キリスト教的価値観 / インディジナイゼイション |
研究実績の概要 |
2014年メルボルンで採択された「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014,IASSW/IFSW)以来、世界各地で「ソーシャルワークは実践に基づく(practice-based)専門職」と表現されている。ソーシャルワークは専門職によって独占される活動なのか。本研究では、イスラム教徒が人口の多数を占めるアジア4カ国(パキスタン・バングラデシュ・インドネシア・マレーシア)の現地研究協力者とともに「宗教からソーシャルワークへのアプローチ」をテーマとし、イスラム教信者・施設・団体が実施するソーシャルワーク活動に着目し、国家の社会福祉施策、イスラム教の社会福祉・ソーシャルワーク活動の実践データ、およびソーシャルワーク教育カリキュラムを収集した。現地研究協力者は、キリスト教・ユダヤ教を価値基盤におく西欧ルーツのソーシャルワーク教育を受け帰国後、大学教員として研究教育活動に従事しているイスラム教徒を選出した。 調査対象国ではイスラム教徒・宗教施設や団体による様々なソーシャルワークの活動が存在している。しかし一方で各国のソーシャルワーク教育は欧米ソーシャルワーク理論や技術論を伝播した形のまま教科書として使用されていること、「宗教(spirituality)とソーシャルワーク」がカリキュラムにおいて軽視されていることが報告された。本研究の最終年度である2019年12月に現地協力者を日本に招聘、「宗教とソーシャルワーク教育」と題する専門家会議を開催した。会議では、西欧ルーツのソーシャルワーク教育を受けた専門職が重要な社会資源であることを否定せず、加えてソーシャルワーク教育が自国の宗教・価値観を重視、ソーシャルワーク教育が伝播する以前から存在する「助け合い」や「支えあい」など土着の活動(インディジナス・ソーシャルワーク)をも重視する必要があるという結論にいたった。
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