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2017 年度 実施状況報告書

非触法ぺドファイル(小児性愛者)の社会学的研究:承認論の臨界を問い直す

研究課題

研究課題/領域番号 17K18588
研究機関東京女子大学

研究代表者

湯川 やよい  東京女子大学, 現代教養学部, 講師 (20723365)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワードセクシュアリティ / ペドファイル / 問題経験 / ジェンダー / 子ども / 承認
研究実績の概要

本研究は、非触法ぺドファイル(子どもを性的な対象とする小児性愛者のうち、性加害を実行したことがない人々)の実態を、当事者の語りから読み解く仮説生成型の研究である。
初年度である今年は、1)文献レビュー、2)日本国内でのサンプリングとインタビュー調査を行った。
まず、1)については、文献調査を進める中で当初想定していた社会科学領域(主に社会心理学)だけでなく、表象研究領域の一部理論が経験的データの分析にも応用できる可能性がみえてきた。また、英語圏以外の外国語で書かれた新しい重要資料(臨床報告、当事者レポート)の存在も明らかになり、今後の資料収集計画が具体化された。文献レビューで見えてきた理論的課題の一部についてまとめ、30年度開催の世界社会学会への報告エントリーを行い、査読通過した(30年度7月に発表予定)。
次に、2)のインタビュー調査については、5名(新規4名、予備調査から継続の1名)へのアクセスが成功し、それぞれについて複数回のインタビューを行うことができた。一部の成果について暫定的考察をまとめた和文論文を収録した論集(分担執筆)が出版予定である(印刷中)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

日本国内で新規4名のインフォーマント(うち3名が20代の若年当事者)にアクセスし、各自に対して複数回の調査を実施できたことは、一定の成果といえる。
予定していた海外当事者団体(地域公開イベント)の参与観察については、現地での重要なイベント日程(29年5月)が、採択・交付決定月(29年7月)よりも以前だったため実現しなかったが、かわりに文献レビューを多く進めることができ、30年度以降の調査の基盤を作ることができた。また、年度内には成果発表までには至らなかったものの、査読付国際学会での発表についてのアクセプト(30年7月発表予定)、および査読無し論文(和文)の出版(入稿済み、印刷中、30年7月出版予定)が確定している。

今後の研究の推進方策

一番の課題は、国内でのインフォーマントの雪だるま式サンプリングが難しくアクセス可能性が予測できないことである(特に、教職関係当事者のサンプリングに困難があることが、29年度の調査過程で浮かび上がった)。そのため30年度は、類似の調査研究において先駆的事例のある北米圏での学会参加、関連機関訪問の機会を有効に活用し、海外の臨床専門家等からのアドバイスを得たいと考えている。
その上で、必要な場合海外在住の当事者も対象者として加えるサンプリングの修正を行う可能性も検討したい。

次年度使用額が生じた理由

当初は1年目に北米圏での調査を行う可能性を見込んでいたが、29年度は採択・交付決定日(7月1日)より以前(年度前半)に重要な観察対象となるイベントが実施されたこともあり、当初予定していた海外出張は行わなかった。
なお、計画された調査の内容そのものは変更されておらず、その分の海外調査(専門研究者への聞き取りと地域調査)は30年度7月に実施予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Narratives of Non-offending Pedophiles in Japan: Managing Diagnostic Discourses in the Politics of Sexuality2018

    • 著者名/発表者名
      Yayoi Yukawa
    • 学会等名
      XIX International Sociological Association World Congress of Sociology
    • 国際学会
  • [図書] 自己語りの社会学2018

    • 著者名/発表者名
      小林多寿子、浅野智彦編
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      新曜社

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公開日: 2018-12-17  

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