研究課題/領域番号 |
17K18618
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉永 契一郎 金沢大学, 国際基幹教育院, 教授 (70313492)
|
研究分担者 |
鈴木 久男 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20192619)
斉藤 準 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (90757668)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
キーワード | 物理教育 / アクティブラーニング / 授業改善 / 入学選抜 / 卒業後の進路 / STEM教育 / 反転授業 / LMS |
研究実績の概要 |
研究代表者、研究分担者2名で、2017年9月、シンガポール:南洋工科大学 オーストラリア:シドニー大学・ニュー・サウス・ウェールズ大学・フリンダーズ大学、2018年3月、香港:香港大学・香港科学技術大学、台湾:国立台湾大学・国立清華大学の物理学科を中心に訪問し、アクティブ・ラーニングに関する情報を得ることができた。 中でも、最も進んでいるのが、南洋工科大学であり、教育改善が、研究力強化、国際化と並ぶ大学の戦略として位置付けられ、集中的に資源が投入されている。また、その手法はTechnology Enhanced Learningであり、LMSや反転授業など、教育ツールの導入によって、教育を変えようとしていることが特徴である。The Hiveは、アクティブ・ラーニングのために設計された最新鋭の校舎である。シンガポールと比較すると、オーストラリア、香港、台湾は、個人レベルでアクティブ・ラーニングが試行されている。ただし、香港科学技術大学は、アクティブ・ラーニングにとどまらず、イノベーション人材の育成という観点から大学カリキュラムを見直しており、より包括的な教育改革構想を持っている。また、香港と台湾では、近年、推薦入試を中心とする大学入試改革が理系志願者のレベルを下げているという意識が強く、高等教育政策に対する不満が聞かれた。 訪問調査の他は、同じく3名で、大学教育学会ラウンドテーブル・課題研究集会、北海道大学STEM教育シンポジウムにおいて、STEM教育に関連する7件の報告を行った。その他、吉永は、海外からの招待講演が2件、国内での招待講演が1件、斉藤には、国内での講演依頼が3件あった。また、関連する論文・図書が4件あった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査、学会等における成果報告、論文発表は、当初の計画以上に進展している。ただし、国際的なアクティブ・ラーニングに関する調査については、2年目に実施する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、夏季に、中国の大学への訪問調査を計画している。また、11月に実施されるAAC&UのSTEM大会のポスターセッションに参加する。研究のまとめとして、アジア・アメリカの物理学科に対して、アクティブ・ラーニングに関するアンケート調査を実施し、分析を行う。6月の大学教育学会ラウンドテーブル、日本高等教育学会自由研究発表において、STEM教育に関連する報告を行う予定である。さらに、アンケート調査の結果に基づいて、学会誌への論文投稿を予定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
安価な航空券を入手することができたため、想定した旅費よりも、少ない経費で、調査を実施することができた。残額は、翌年度の調査旅費として計上する。
|