研究課題/領域番号 |
17K18620
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (20467195)
|
研究分担者 |
井関 龍太 大正大学, 心理社会学部, 専任講師 (60436269)
藤木 大介 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (60403599)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
キーワード | 文章理解 / 共感 / 心理実験 |
研究実績の概要 |
研究体制を整え、研究ミーティングを行い、今後の方針を決定した。研究ミーティングにおいては、代表者から本研究の方向性の説明を行い、代表者と分担者の議論の上、挑戦的研究の方向性を一致させた。今後の方針については、(1)文章理解・読書関連の領域における「仮想的な対話」を取り扱うこと、(2)手法は質問紙法、実験法等にこだわらず、幅広く適用すること、(3)各自がこの方針のもとで、各自の専門性を生かしながら研究を進めること、(4)各自の研究の進捗と方針の一致を図るために、定期的にメール・対面等で情報交換を行うことを確認した。 具体的な研究としては、以下のように進めた。(1)学習において架空の人と対話する個人差を測定する尺度を構成するため、尺度の原案を作成した。作成にあたっては、物語理解研究、統合失調症研究、仮想の友だち研究等を参考にした。「説明文の自己内対話」と「対話型学習傾向」を測定する尺度項目を作成した。(2)架空の対話による学習の事例を収集するために、インタビュー調査を計画した。萌芽的な領域であるため、事例からボトムアップ的に理論化を行うために計画した。(3)作文中において読み手を意識することの効果に関する実験研究を計画した。(4)テキスト読解時における登場人物の役割について概念整理を行い、実験研究を計画した。登場人物の存在を仮定することと深い理解の結びつきを明らかにするために、実験刺激の原案を作成した。 また、ICCS2017; 11th International Conference on Cognitive Science等の国内外の関連学会に参加し、情報提供(発表)を行いながら、情報収集を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「仮想的対話学習モデル」のフレームワーク開発が平成29年度の目的であったが、一定の情報をレビューし、具体的な調査・実験計画に落とし込む目処がたち、当初の予定を十分に達成したと考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要に述べた研究を進める。具体的には、(1)学習において架空の人と対話する尺度の構成、(2)架空の対話による学習の事例の収集、(3)作文中において読み手を意識することの効果に関する実験研究、(4)テキスト読解時における登場人物の役割についての実験研究を実施する。 また、研究成果を国内外の学会、学術雑誌等に公表する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品購入や学会旅費が、当初の想定以上に削減されたため、余剰資金が生じた。余剰資金は、当初想定していなかったウェブ調査の必要性が生じたこと、人件費が想定以上に必要である見込みであることから、ウェブ調査の経費と人件費に充てる予定である。
|