研究課題/領域番号 |
17K18627
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大澤 公一 京都大学, 高大接続・入試センター, 特定准教授 (20555320)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
|
キーワード | 教育心理学 / テスト理論 / 日本語教育 / 項目反応理論 / 高等教育 |
研究実績の概要 |
令和2年度における研究実績の概要は以下の通りである。(A) 口述能力を媒介して言語運用能力(4技能)や基礎学力等の測定を行うための課題の開発については,前年度に引き続き,言語運用能力,即時的思考能力および表現能力を必要とする課題の内容的評価・精緻化を行った。(B) 能力(基礎学力)を総合的に尺度化するための評価基準の開発については,CEFRを基礎とした言語運用能力の評価基準を整理し,思考能力や表現能力(やりとり)に関する評価項目を加えて評価基準の見直しを行った。また,教科・科目学力の習熟度に関する自己評定項目を拡張した。前年度に引き続き,日本の大学入学者(入試直後の段階)の英語運用能力の自己評価レベルについて,CEFR Global Scaleを中心としたアンケート調査を実施し,項目反応理論の一般化部分得点モデルによる尺度化および等化を行った(累積N=8,023)。(C) 口述回答適性検査の開発については,先行研究および海外における基礎能力(Key Competency)の評価尺度等を参考に,論述評価項目から口述評価項目への内容的な援用・応用可能性について引き続き検討を行い,検査項目を精緻化した。(E) 対話型試験webプラットフォームの開発については,試行インタビュー調査による試験実施フローの定型化を試みた。これを基に,web試験を行うためのプラットフォームの検討を行った。(F)先行研究と紐付けするためのモニター試験・質問紙調査の構成については,研究代表者の先行研究から日本語運用能力に関するテスト項目および高等教育において必要となる適性・資質等に関する自己評価項目から尺度を構成した。海外におけるモニター調査については,新型コロナウイルス感染拡大の影響により実施の再延期を余儀なくされた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度においては国内外におけるモニター試験の実施を予定していたが,昨年度に引き続き,新型コロナウイルスの流行によって年度末までの海外調査が事実上不可能となった。そのため,モニター試験に関する調査計画の大幅な見直しが必要となり,研究機関の再延長を申請した。
|
今後の研究の推進方策 |
測定装置の最終的なフォーマットを確定させるとともに,対話型試験を行うためのwebプラットフォームを準備する。新型コロナウイルス感染拡大による影響を注視しながら可能な範囲で国内外でのモニター調査を実施し,データを分析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
海外旅費・人件費に関しては,新型コロナウイルス感染拡大の状況を注視し,オンラインでの試験実施やコンサルティング発注など,適切な方法を検討することとした。
|