研究課題/領域番号 |
17K18629
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
黒田 恭史 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70309079)
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研究分担者 |
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00114893) [辞退]
原 清治 佛教大学, 教育学部, 教授 (20278469)
岡本 尚子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (30706586)
濱田 麻里 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80228543)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 教育学 / 算数・数学教育 / ICT活用 |
研究実績の概要 |
平成28年度文部科学省学校基本調査によると,不登校児童生徒数は,小学校で約3万1千人,中学校で約10万3千人にのぼるなど,約13万4千人の不登校児童生徒が存在する。この数を全体の児童生徒数と比較すると,小学校では約208人に1人,中学校では約33人に1人が不登校という計算になる。一方,文部科学省の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」によると,公立学校に通う外国籍児童生徒数は年々増加傾向にあり,とりわけ,日本語指導が必要な児童生徒数は,平成16年度は約2万人であったのに対し,平成28年度は約3万4千人と急増している。 本研究の目的は,教員養成課程に在籍する大学生,及び日本の大学に在籍する留学生が,小・中学校の不登校児童生徒,及び外国籍児童生徒を対象にした様々な場面での学習支援のための算数・数学コンテンツを開発することである。期待される効果としては,1)不登校児童生徒の自宅での個別学習支援,2)外国籍児童生徒の学校での個別学習支援,3)不登校児童生徒が適応教室で学習する際の指導員(臨床心理士)の指導支援,4)海外に在住する日本人児童生徒の翻訳・学習支援,5)教員養成課程に在籍する大学生のコンテンツ開発能力の向上などが挙げられる。 平成30年度研究実績としては,中学校数学コンテンツ日本語版の開発と,中学校数学コンテンツの多言語翻訳版の開発を行った。併せて,専用のホームページを開設し,全国から無料で閲覧可能とした。 現在,京都市,京都府長岡京市,神奈川県横浜市,静岡県浜松市各教育委員会などから問い合わせがあり,外国人の子どもの学習支援や不登校児童生徒のための学習支援に活用する動きが広まっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は,中学校数学2,3学年日本語版コンテンツを100本開発し,それぞれボルトガル語,中国語,ベトナム語,英語,韓国・朝鮮語に翻訳している。また,中学校数学練習用テキストを作成し,専用ホームページにおいて,いずれも無償で閲覧可能な環境を設定した。このように当初の計画通り進んでいることから,上記の自己点検による評価区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,中学校数学日本語版コンテンツの,ポルトガル語,中国語,ベトナム語,英語,韓国・朝鮮語翻訳を完成する。開発したコンテンツは,検索用中学校数学版ホームページに掲載し,全国から無料で閲覧可能な環境を充実する。また,各教育委員会,学校現場の使用状況を調査し,動画コンテンツの改善に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度において,学校や教育委員会での多言語対応版算数・数学コンテンツ使用の調査を予定しており,それらの交通費や分析費用に活用するために次年度額に繰り越して使用する予定である。
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