研究課題/領域番号 |
17K18630
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
BYSOUTH DON 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20603129)
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研究分担者 |
池田 佳子 関西大学, 国際部, 教授 (90447847)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | EMI(英語開講) / 国際教育 / 研修プログラム開発 |
研究実績の概要 |
本研究では、近年多くの日本全国の大学機関にて急展開するEMI (English as Medium of Instruction/英語で開講される専門科目)カリキュラムの現状に伴う様々な課題の打開策 を見出すため、①東アジアおよび北欧の国外のEMI推進派の大学の動向を体系的に比較調 査するものである。初年度は、EMI科目を多く提供している大学機関の担当者などからメールや国際教育関係のカンファレンスなどの機会を活用してコンタクトを取り、各国の事情調査を行う作業を進めた。 東アジア、東南アジアは、タイとマレーシアを中心にEMT事情について関係者からの聞き取りなどを進めた。マレーシアは国立大学と私立大学のEMI科目の体制についての事情が極めて異なっており、私立大学では基本的にすべての科目が英語で開講されていることが基本となっている一方、国立大学はマレー系の学生が多く、また教員もマレー系が大半であるため、EMI科目であっても一部マレー語との混合となっているような現状もある。タイにおいては、私立・国立を問わず、タイ語は多くの国民の第一言語であるため、EMI科目の浸透には外国人教員の雇用または海外で学位を取得したタイ人教員が伴うなど、日本の事情と相似する点が多いことが分かった。 ヨーロッパについては、平成30年度4月にポーランド(中欧)の複数大学への現地調査を行うことができるため、欧州におけるEMI科目の展開についてより理解を進めることができる。また、6月の別用務によるノルウェーの大学への訪問の際、および8月には学会発表を行うイタリアでも一部調査を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の調査においては、国際教育関連の集いに参加することで、多くの事情調査を一度に実現することができた。今後実際のEMI科目担当者らへの研修プログラムを実施している部署へのコンタクトと内容の調査を進める計画である。
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今後の研究の推進方策 |
東(南)アジアの大学(タイ、台湾)と欧国の大学(ポーランド、ノルウェー、フランス)のEMI カリキュラムを管轄する担当部署を訪問し、「科目数」「開講分野」「シラバス」「担当者」「履修学生層」「国際教育としての大学における位置づけ」といった項目別に過去10 年程度の展開の経緯の聞き取りを行い、可能な参考資料を取得し、それらを比較分析する。 留学生受け入れ大国では、多様な言語能力・背景を持つ学生のための教授法や教師養成研修が発達している。日本の事情とは異なる点があるものの、多岐の要素は有益である。本学の高等教育機関に適したJAPAN-EMI への適性を調査する。 平成30年度には、英国・米国・豪国が提供する「EMI 教師養成プログラム」の検証も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費などの為替の差額などが大きな原因である。
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