研究課題
行動主義から構成主義への流れの中で、学習者の能動的活動を重視するアクティブラーニングが推奨され、教室内でもグループ活動等が盛んに行われるようになってきた。この時、教室等の室内を複数の音響空間に分割して、グループや個人別に利用できるようになれば、グループ毎に異なる映像や音声を活用したり、様々な形態の遠隔学習が可能になる。そこで、グループ活動や複数言語等に対応できる音声環境の開発を進めた。主な実験は、当初計画の通り、平成29年度から3年間をかけて実施した。そして、直進性に優れた超音波を利用するスピーカ装置を分散配置する指向性音響システムを中心に検討をおこなった。しかし、最終年度となるはずだった令和元年度は、コロナウィルス感染防止のために、参加を予定していた関連学会の年会や研究発表会等が急遽、中止になったため、研究期間を一年延長することとした。そして、超音波帯域の搬送波信号をパルス幅変調することで伝達効率を上げられることや、基準となる搬送波信号をスピーカ装置間で共通にすることで相互変調の低減を確認した。さらに、コロナ禍により遠隔学習のための音響空間の開発が重要になってきたことから、「ディジタル処理頭部運動補償によるヘッドホン音像定位の向上」(電子情報通信学会 J73-A(4)pp.692-699)等の研究成果を受け継ぎ、多地点の音声信号を個々の学生の想定状態に合わせて合成処理することでバーチャル教室を実現する音声環境についても研究を進め、今後の展開を計ることとした。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
The Journal of Information and Systems in Education
巻: 19(1) ページ: 38-43
10.12937/ejsise.19.38