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2018 年度 実施状況報告書

大学におけるセクシュアルマイノリティ学生への包括的支援モデル構築の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K18640
研究機関岡山大学

研究代表者

松井 めぐみ  岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (60400652)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワードセクシュアルマイノリティ / 大学 / トランスジェンダー / 性的指向 / 間接的支援 / 支援体制 / キャリア支援
研究実績の概要

本研究は大学におけるセクシュアルマイノリティ学生への効果的な支援体制構築のため,大学の相談・支援担当者,当事者それぞれから,調査によって現状とニーズを把握することで,包括的な支援の在り方の検討を行うものである。
H30年度は日本の全大学を対象に,調査1として「大学におけるセクシュアルマイノリティ学生支援に関する質問紙調査」を郵送によって実施し,242大学(回収率31.9%)から回答を得た。大学の形態や学生数,最もセクシュアルマイノリティ学生の相談・支援を行っている機関,各種相談の有無,啓発活動実施の有無,学内他部署・学外機関への紹介の有無,学内教職員からの相談の有無,LGBT以外のセクシュアルマイノリティ学生からの相談の有無が,それぞれどのように関連しているのか探るため多重応答分析を行い,二次元座標平面にプロットした。学生数の多さと各種「相談あり」に関連が見られた。またトランスジェンダーに関する相談は保健管理センターの近く,同性愛・バイセクシュアル・LGBT以外の相談は学生相談室やキャンパスサポートセンターの近くに布置され,関連性が示された。さらに,啓発活動を実施していると各種の相談があり,他部署や他機関を紹介している傾向が見受けられた。これらの事から,日本の大学でセクシュアルマイノリティ学生への支援は,どこの部署がどのような相談に応じているのかや,学生数や啓発活動実施との関連性が明らかになった。また調査1では,各大学でセクシュアルマイノリティ学生から受けた相談が自由記述で得られたので,その内容を分類して項目を作成し,H31年度に実施する調査2の当事者学生への調査に利用する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

H29年度に実施予定であった調査1「大学における支援体制と支援内容の把握」が,研究倫理委員会の設立の都合で実施がH30年度になったため,H30年度に実施予定の調査2がH31年度実施予定にずれたため。一方で,H31年度に実施予定であった,啓発活動による間接的支援について,H30年度に実施した調査で各大学の実施状況を先取りして調査することができたため。

今後の研究の推進方策

H31年度は,調査2「セクシュアルマイノリティ学生の支援ニーズの把握」をまず実施し,その後大学の就職支援部門を対象とした調査3「セクシュアルマイノリティ学生の就職支援と学内連携の把握」の2つの調査の実施を行う。また,調査4「海外の大学におけるセクシュアルマイノリティ支援の様子の把握」を同時並行で行う。
研究成果の発表として,調査1で得られた結果を健康心理学会で発表するとともに,H29年度に実施した調査の結果を論文にまとめて発表する。

次年度使用額が生じた理由

所属機関の研究倫理審査委員会設立の都合により,調査1の実施が1年遅れ,それに伴って調査2と3がH30年度中に実施できなかったためであるが,調査の準備は進んでおり,どちらの調査もH31年度中に完了予定で,次年度使用額はそれらの調査実施に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大学におけるセクシュアルマイノリティ学生への支援-啓発活動による間接的支援の効果-2018

    • 著者名/発表者名
      松井めぐみ
    • 学会等名
      日本心理学会第82回大会

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公開日: 2019-12-27  

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