本研究は、なぜ日本の研究生産性が低下したのか、その要因を明らかにした。まず、時系列データ(1991-2013)を用いて、Top10%論文に影響を与えているのか計量的に明らかにした。次いで、国立大学教員調査を用いて資源配分方法(競争的資金、校費)が、教育・研究時間を一定としたときに論文生産性に与える効果を検証した。得られた成果は2点である。(a)Top10%論文に対して科学技術振興費がプラス、週平均授業担当時間がマイナスの影響を持つこと。(b)資源配分を校費と競争的資金で区分したところ、教育研究条件を一定としてもなお、地方国立大学で科研費だけでなく校費が学術論文に有意な影響を持つ。
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