研究課題/領域番号 |
17K18645
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川合 紀宗 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20467757)
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研究分担者 |
大谷 みどり 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80533299)
中山 晃 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (70364495)
松宮 奈賀子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70342326)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 外国語教育 / 外国語活動 / 学習困難 / 教科化 |
研究実績の概要 |
本研究では、小学校外国語教育において、発達障害などの特別な支援を必要とする児童を中心とした多様な児童が参加できるカリキュラムや実践の在り方を検討・開発することを目的とした。特にカリキュラム開発においては、小学校や外国語による特別支援教育を展開しているインターナショナルスクールに協力を得ながら、インクルーシブ教育の研究者と外国語教育の研究者が連携して実践を通した効果検証を行うことで、エビデンスに基づくカリキュラム・指導法の開発・提案を行うことを目的とし、以下の3つの内容について研究を実施した。 1.教科化後を見据えた指導に取組む先進校での実践分析:授業観察を通して教科型指導で新たに発生する困難点や注意事項を明らかにするための分析を行った。この結果を元に読み書きや文構造への気づき指導における配慮の在り方を検討した。 2. 外国語教育を行う上で、発達障害などの特別な支援を必要とする児童の支援の際、導入・実施している工夫の内容や、指導を行う上で困っていることなどについて、小学校の教員に尋ねるアンケート調査用紙を作成し、この調査用紙を学校へ送付し、調査を実施し、回答傾向を分析し、実践の在り方を検討した。 3. 1.や2.で得た知見をもとに、特別な支援を必要とする児童への外国語指導を行う際の支援や配慮の在り方についての解説をするガイドブックの内容や構成等について検討した。 調査の結果、教員は外国語に困難のある児童の多くが、音韻認識や長期記憶、短期記憶に関わる技能に困難があることを把握していた。教科横断的な困難を示す児童の割合は少なかったが、こうした児童は、外国語学習においてもつまずいている可能性が高かった。今後は、つまずきの具体をインタビューや授業観察から深く調べるとともに、ガイドブックの内容を充実させるために、外国語学習上の困難に対する教員の指導上の困難や工夫点について調査する必要がある。
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