研究課題
IT関連技術の劇的な革新を迎えた現代において、全人間の中核的課題、心身の生涯発達の支援にいかに寄与できるかが鍵である。本課題は、人間の生涯の発達に影響を与える可能性のある最初期段階の高感受性期学習が仮説される神経系発達の支援IT開発を目指した。胎児期に早産で生まれた新生児が多様な視・聴・体性感覚信号として受容する可能性のある物理および社会環境変動値と、児の行動・生理応答を、ストレスフリーで恒常的かつ包括定量的に捉えるベッドサイドの臨床計量システムを試作することを目指した。新生児集中治療室(NICU)に入院する患児を対象として、生体情報では、脈や酸素飽和度の他、成育を支援する保護者への情動を伝える行動手段とみなせる泣き声や複数の体部の運動と体温、また、児が滞在する保育器内の複数の光波長帯域環境、臨床音響環境の周波数分布、保育器の内と外の温熱差異や気流環境の変動を、24時間以上~2週間、32名の協力者を対象にデータを取得した。多様な生体と環境因子間が交絡する相関性を探索した結果、まず、各指標の変動値は、それぞれ特異的な周期的パターンと周期因子の変動、周期の明瞭性に差異があることが可視化された。環境と生体指標間の変動相関を、臨床情報を参照しながら探索したところ、泣き声や体部各所の運動複数指標、循環器系状態が、療育中の社会かつ物理的ライフイベントに強く影響を受けたこと、体温生理変動は屋内外とは異なる周期性を示すこと、周期性の不明瞭化に週齢や病態が関わることが示唆されるようになった。並行し、中枢神経発達を規定し得る指標探索として、脳MRイメージング法のうち、水素分子の拡散尖度強調画像Diffusion Kurtosis Imaging(DKI)法により、中脳、視床、大脳への順に発達する推移の可視化を得た。また、生涯発達の包括視として、対局齢の高齢期の視聴覚と情動機能発達の示唆を得た。
こどもの発達において、多様な感覚に身をおくことができないコロナ自粛HOME STAYは脳発達のハイリスク状態です。そこで、2020年こどもの日に、日本の遠隔地をICTで繋いで試みた、オンライン・プレーパーク 「つくりんたっち(つくる+in touch 通じる)」の報告です。
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