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2017 年度 実施状況報告書

自己調整学習を越えて:生涯にわたって成長するための学習モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K18659
研究機関熊本大学

研究代表者

合田 美子  熊本大学, 教授システム学研究センター, 准教授 (00433706)

研究分担者 山田 政寛  九州大学, 基幹教育院, 准教授 (10466831)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード学習モデル / 学習理論 / 自己調整学習 / 生涯学習 / コンピテンシー
研究実績の概要

本研究では, 生涯にわたり成長をするために, 自己調整学習(self-regulated learning: SRL)を越えたフレームワークとしての新しい学習モデルを開発することを目的とする. 自律的学習方法と態度を育成するために, SRLが注目され, 国内外で多くの研究および教育実践が行われているが, SRLは, 基礎的な学習スキルを習得させるというリメディアル的要素が大きい. そのため, ICT活用教育, 一生学び続ける生涯教育を真に享受するための自律性, 継続性, 創造性を, SRLをベースには育成することは難しい. また, 21世紀型スキルや教育のオープン化, インフォーマル学習などの新しい教育の動向に適応するには限界がある. 本研究では, フォーマルとインフォーマルな状況で, 能動的に学び続け, 創造的でイノベーティブに行動する人材育成を可能にする新しい学習モデルの開発に挑戦する. 本研究の成果として, 現在の学習環境に適応した学習モデルを提案し, 生涯学習を享受するための素養を育成するための方向性を示すことができると考える.

平成29年度は, 国際的教育研究機関(ibstpi)のコンピテンシー開発モデルフェーズ1(文献と実践のレビュー)を行った. フェーズ1として, 学際的に広く文献調査を行った. 新しい成人学習理論で課題となっているスピリチュアリティ, アイデンティティ形成, 身体を使った学習や非西洋的視点も考慮した. また, 人間性心理学や認識心理学など人間の根底にある欲求や動機などにも配慮した. さらに, ハイパフォーマーのインタビューを行い, 新しい学習モデルに必要な要素を抽出した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

フェーズ1の基礎調査で, 調査を進めるうちに対象とする範囲を拡大したため, 時間を要したが, オンラインサーベイの手法などについては調査済みのため, 次のフェーズへはスムーズに進める見込みである.そのため, 研究全体としては、概ね順調に進んでいると考える.

今後の研究の推進方策

平成30年度では, フェーズ1の結果をもとに、フェーズ2(コンピテンシーの同定と検証)として, コンピテンシーを同定し, ibstpi理事らの協力を得て専門家レビューを行い, 内容妥当性を検討する. その後, 改訂したコンピテンシーを検証するためにオンラインサーベイを利用する.フェーズ3(コンピテンシーの改訂と最終的な合意)を行う. コンピテンシーをもとに新しい学習モデルの構成要素を抽出し, 新しいモデルのフレームワークを作成し, モデルを構築する. さらにコンピテンシーより, SRLの構成要素を参考にしながら, メタ認知を含む認知, 情緒, 行動, 環境などの学習に関する要素を抽出する. フレームワーク作成のため, 要素を系統化・系列化・構造化する.海外のオープン教育やオンライン教育の有識者にヒアリングを行い, 方向性を確認する.

次年度使用額が生じた理由

フェーズ1の調査規模が大きくなり予定していた以上に時間を要したため, フェーズ2用に確保していた予算を繰り越したため次年度使用額が生じた. 平成30年度に継続してフェーズ2を行い, 当初計画していた通り, サーベイや有識者インタビューなどに使用する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] National Cheng Kung University(Taiwan)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      National Cheng Kung University
  • [雑誌論文] インストラクショナルデザインを概観する2018

    • 著者名/発表者名
      合田美子
    • 雑誌名

      看護教育2018年1月号 特集 インストラクショナルデザインを活かす

      巻: Vol .59, No. 1 ページ: 10-15

  • [学会発表] The Effects of Social Presence Visualization based on Community of Inquiry Framework2018

    • 著者名/発表者名
      Masanori Yamada, (Yoshiko Goda)
    • 学会等名
      Society for Information Technology and Teacher Education (SITE2018)
    • 国際学会
  • [学会発表] Effective TELL for Self-Regulated Learning and Collaborative Learning2017

    • 著者名/発表者名
      Yoshiko Goda
    • 学会等名
      International Conference on Computers in Education (ICCE2017)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 学習方法の選択に関する認識と実際の学習行動の関係が学習成果に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      合田美子(山田政寛, 松田岳士, 加藤浩, 齋藤裕, 宮川裕之)
    • 学会等名
      日本教育工学会 全国大会

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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