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2018 年度 実施状況報告書

専門高校卒業生の継続的な学びの支援に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K18660
研究機関東京学芸大学

研究代表者

島田 和典  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50465861)

研究分担者 本村 猛能  日本工業大学, 共通教育学群, 教授 (70239581)
工藤 雄司  茨城大学, 教育学部, 教授 (70635614)
山田 啓次  大阪産業大学, 全学教育機構, 准教授 (70630599)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード工業教育 / 学びの支援 / 追跡調査 / 社会人教育 / 進路指導
研究実績の概要

本研究は,専門高校卒業生の継続的な学び支援の検討を目的としている。専門高校進学者において多様な学びが求められる中,「専門高校(本研究では工業高校に着眼)卒業」=「就職」の枠組みとは別の視点での進路指導の必要性が指摘できる。また卒業後の継続的な学びを支援するための高校・大学・社会の在り方を検討する必要がある。本研究では,①工業高校卒業生への追跡調査(就職・進学者ともに)を実施し,現在の職業と学び直しや継続的な学びの必要性について俯瞰的に明らかにする。その上で,②工業高校からの大学進学に着眼し,大学側と高校側双方の調査を経て,専門高校段階において継続的な学びを考慮した新たなカリキュラムの検討,また大学接続に向け身につけるべき学力,志向すべき資質,能力の明確化と枠組みを作成する。
当該年度は,①前年度実施した工業高校卒業生への追跡調査の結果(工業高校卒業後5~30年程度の社会人を対象)を集計・分析し,結果を学会等において公表した。また上記の回答者から1名の卒業生を選定し,半構造化面接法による面接調査を実施した。②工業高校から大学への進学について全国約500校の工業高校を対象に調査を実施した。研究協力者らと質問項目を設定し,現行の教育課程の状況を含めて郵送による調査を実施している。合わせて,工業高校卒業生を受け入れる全国約200校の理工系大学,職業能力開発大学校等を対象に,受け入れの体制等について調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

①工業高校卒業生への追跡調査では,卒業後の学びについて,工業高校を卒業した5年~30年程度の社会人,50名を対象に実施した調査の集計,分析を行った。過去(先行研究)に行われた全国規模の調査との比較も加味した考察では,工業高校卒業生は,社会に出た後,再度大学等の教育機関で学びたいと考えている割合が高いことが認められた。その目的としては現在の仕事に関する先端的な学び,視野を広げたいといったことから,専門性,広い知見を獲得したいという思いが挙げられた。また1名の面接調査からは,高度化する技術への対応や職場での待遇改善及び新しい技術の導入による企業としてのコスト削減が,社会人として大学等で学びたいという意欲の喚起につながるのではないかという考察が得られている。しかし一方で,社会人として働きながら学ぶことは現状難しく,労働時間の長さや職場の理解が不十分といった課題が挙げられた。(計画以上の成果)
②工業高校から大学への進学については,全国約500校の工業高校,及び工業高校卒業生を受け入れる全国約200校の大学・職業能力開発大学校等を対象に調査を実施した。研究分担者及び研究協力者と共に,社会人基礎力や学習指導要領に記載される社会に求められる人間像等を参考に,高校側が考える大学進学を目指す工業高校生像,大学側が期待する工業高校卒業生像を明らかにするための質問項目(37項目)を作成した。また高校については,工業高校からの進学支援に関する内容,大学側については,入学後の支援の状況等を問う設問を設けた。当該年度に調査を実施し,現在集計作業を行っている。次年度において成果公表を行う予定である。(計画通りの成果)

今後の研究の推進方策

当該年度では,前年度調査の成果公表,及び追加の面接調査の実施,及び全国規模の工業高校・理工系大学等(約700校)への調査が計画通りに遂行できた。
今後は,口頭発表済のものについては学術論文としての成果公表に取り組む。また高校・大学の調査で得られた回答の集計と分析を実施し,卒業生が社会人として必要とする学びの支援の在り方を検討していく。また,必要に応じて多くの工業高校卒業生を受け入れる大学等でのフィールドワークを実施する。これら結果については適宜,関係学会で公表していく。一方,本研究において得られた知見を整理し,専門高校から進学を支援するモデル的なカリキュラムの検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究協力者らとともに理工系大学等でのフィールドワークを予定していたが,当該年度に実施した調査結果を精査したうえ(結果を踏まえて)で次年度において実施すべきとの判断により未使用額が生じている。研究計画全体については計画通り実施されている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 工業高校卒業生における継続的な学びの支援の在り方2018

    • 著者名/発表者名
      島田和典,作田慶
    • 学会等名
      第29回工業教育全国研究大会(日本工業技術教育学会)
  • [学会発表] 高校工業科と中学校技術科の現状と接続2018

    • 著者名/発表者名
      島田和典
    • 学会等名
      第29回工業教育全国研究大会(日本工業技術教育学会)
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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