研究課題/領域番号 |
17K18671
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
平川 俊功 東京家政大学, 人文学部, 教授 (20590003)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 養護教諭 / 育成指標 / キャリアステージ / 現職研修プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、(1)養護教諭の職務の特質を踏まえた育成指標の作成(2)作成した育成指標に基づく現職養護教諭の研修プログラムの開発である。1年次には、養護教諭の職務の「実践基準」と「育成基準」の考え方を検討し、養護教諭の職務の「実践基準」の枠組みを検討することを計画していたが、2017年度末までに複数の自治体から教諭並びに養護教諭の「育成指標」が公表されたため、「育成指標」を新たに作成する時期ではないと判断し、「育成指標の作成」から「育成指標の根拠を明らかにする」ことに計画を修正し、研究の進捗は以下のとおりである。 1) 養護教諭の育成に関する先行研究と隣接する職種(看護師)の育成の先行研究と比較し、養護教諭の育成指標への援用の可能性を検討した。 2)「育成指標の枠組み」を構成する「項目」を検討するために、各自治体から公表された「育成指標」を分析し、教諭及び養護教諭の「育成指標を構成する項目」とその根拠を探った。その結果、平成20年及び平成27年の中央教育審議会答申にあり、特に養護教諭に特化した育成指標項目の根拠は、平成20年の中央教育審議会答申で示された現在の養護教諭の5つの役割を引用していることを明らかにした。 3)育成指標のもう一方の視点としてキャリアステージを捉えるために、日本養護教諭教育学会が制定した養護教諭の「倫理綱領」で示されている条文をもとに、専門職としての社会的責任・職業倫理に対する意識と日々の実践における状況を、A県の養護教諭を対象に質問紙調査を実施し、実務経験に照合しながら統計分析した。その結果、専門職としての社会的責任,職業倫理は、単に実務経験年数に比例して意識や行動が向上していくとはいえないことの示唆を得た。これは現職研修プログラムを実務経験年数でまとめる方法を見直しの必要を示している。 4)研究の修正及び方向性について、教師教育の研究者から助言を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1研究代表者の健康上の理由
2第一の研究課題として「育成指標」作成を行う計画であったが、研究を開始した時点ですでに複数の自治体から「育成指標」が公開され、本研究の方向性を変更せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2年次には、「育成指標」のうち、キャリアステージの検討とそれの基づく現職養護教諭の研修プログラムを検討する。まず、1)前年度二実施した各自治体画公開した育成指標の分析結果を元にして、 全国で共通する基本的な養護教諭に特化した部分の「育成指標」を設定し、その内容を検討する。次に、2)設定した育成指標の内容は、個々の養護教諭としてはどのように成長していくかキャリアステージの実態を明らかにする。(調査・統計分析・インタビューの実施)、3)育成指標に基づく現職養護教諭の研修プログラムの内容と方法について、適正処遇交互作用の理論を元に検討し立案する。養護教諭の敵処遇に関する調査をキャリアステージの実態調査に併せて実施する。 養護教諭の現職研修のプログラム検討のために、進んでいる4)教師の現職研修モデルの視察(シンガポール)を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
・1年次に実施する予定であった全国規模の調査を次年度に実施する計画に変更したため、調査費用(郵送料・人件費・謝金を含む)として使用する。 ・教師教育における研修プログラムおよびそのシステムの視察を計画したため、交通費・宿泊費・通訳への謝金・視察先への謝礼等に使用する。 ・研究協力者の会議を3回程度計画しているので交通費及び会議費に使用する。
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