最終年度は、「GNH教育」の応用モデルと本研究で位置づける地域課題解決学習(「PBL for GNH」)のブータンでの導入・実施に向けたミーティングを継続して行い、チュカ県内の高等学校3校の教員を対象としたオンライン研修、生徒を対象としたワークショップの開催が実現した。併せて、ブータンの学校教育や地域格差、多様性等を巡る最新動向に関する調査・研究を続けた。その成果に関しては、お茶の水女子大学グローバル協力センター・日本ブータン研究所共催「2022年度ブータン連続セミナー」(全20回)の中で随時取り上げると同時に、日本国際教育学会第33回大会及び日本GNH学会2022年度大会にて口頭発表した。また、ブータンをフィールドとした学びの実践として、お茶の水女子大学の学生が行った研究調査の報告書を作成した。 本研究は、文部科学省日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)「「学校を核とした地域創生」海外展開モデル事業―ブータン王国での学校魅力化プロジェクト―」(代表機関:一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム)及びJICA草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)「地域活性化に向けた教育魅力化プロジェクト―ブータン王国における地域課題解決学習(PBL)展開事業―」(提案自治体:島根県隠岐郡海士町)に繋がり、結果、ブータンの学校教育の変革の一翼を担うことができた。研究課題としては終了するが、「PBL for GNH」が同国において持続可能な取り組みとなるよう、引き続き関わりを続けていく所存である。
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