研究課題/領域番号 |
17K18675
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研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
沢田 真喜子 日本女子体育大学, 体育学部, 講師 (80363555)
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研究分担者 |
杉崎 弘周 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30612741)
藤井 佳世 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (50454153)
勝川 由美 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (20438146)
坂梨 薫 関東学院大学, 看護学部, 教授 (60290045)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 外国にルーツをもつ子ども / 小学校 / 養護教諭 / 健康支援 |
研究実績の概要 |
本研究は,外国にルーツをもつ子どもの健康の社会的決定要因について明らかにすることである。2018年度は,昨年度実施した二次分析結果をもとに,調査対象地区を抽出し,健康問題および健康支援上のニーズの実態について調査を実施した。 調査は,住民基本台帳年齢階級別市区町村別人口(平成30年1月1日)をもとに抽出した5~14歳の外国人比率が5%以上(日本全体における平均は1.18%)の市区町村,および外国人増加率が高く外国人数が700人以上の市区町村に所在する小学校1,452校に勤務する養護教諭を対象とした。調査内容は,児童生徒数及び担当者数,保健室利用状況,児童生徒の健康問題と支援上の課題とした。 回収率は11.7%であった。結果の概要としては,①年度途中の転入による感染症及び予防接種状況の把握や対応上の課題,②保険証不交付による疾病時の対応における課題,③言語障壁によるメンタルヘルスケア対応上の課題,④文化的差異による対応上の困難性が示された。 2018年度の調査結果から学校保健に焦点をあてる必要性が高まり,研究計画を大幅に修正した。具体的には,①就学中の児童生徒の健康問題および健康支援上のニーズ,②小児科医等が捉えた健康問題および健康支援の分析によって,外国にルーツをもつ子どもの健康を支える教育・保健医療者の健康支援上のニーズを把握することとした。児童生徒に直接かかわる教育・保健医療者のニーズ把握によって,社会的決定要因を導出し,健康課題解決のための方策提案につなげていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018度以降の研究計画について,学校保健上の課題を中核に据える必要性が示唆されたため,研究計画の大幅な修正を図った。 2017年度の調査結果から,対象地区を抽出した上で,2018年度は,計画予定であった就学児健診を担う小学校の養護教諭を対象に調査を実施した。分析結果については,関連学会等で報告・精査し,今後は,当該地区の小児科医および中学校養護教諭を対象に,教育および医療の立場から把握した健康問題と支援上の課題をもとに,課題解決に向けた方策の提案を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は,中学校養護教諭および小児科医等を対象とした調査を実施し,健康問題の一つにあげた感染症および予防接種にかかわる制度上の課題を分析後,外国にルーツをもつ子どもの健康と学校保健上の課題を明らかにする。さらに,養護教諭や学級担任等への支援について,保健医療の側面から検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の大幅な修正を図ったためである。次年度使用額については,2019年度に行う調査・分析のために使用する。
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