研究課題/領域番号 |
17K18682
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研究機関 | 四国大学短期大学部 |
研究代表者 |
勝浦 美和 四国大学短期大学部, 幼児教育保育科, 講師 (40735817)
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研究分担者 |
浜崎 隆司 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (20218530)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 幼児 / 自尊感情尺度 / 保護者 / 保育者 / 自尊感情 |
研究実績の概要 |
本研究は保護者、保育者にとって分かりやすい幼児用自尊感情尺度の開発と普及を目指しているため、尺度項目を保護者、保育者の生の声から得られた文言を用いて作成することとしている。文言収集に関しては、平成28年度に、4、5歳児を養育または保育している保護者、保育者131人(保護者72人、保育者59人)に自尊感情が高いと思われる幼児の姿についてアンケート調査を行っており、平成29年度は、そのアンケート調査から得られた回答を全てカードにし、客観性を確保するため、研究者、共同研究者、心理系研究者各1人(計3人)で断片的情報の構造化を行い、大、中、小のグループに分けて整理した。他研究者の意見を広く集めるため、5月に日本保育学会第70回大会でポスター発表を行った。その後、12月に「保護者と保育者がもつ自尊感情が高い子どもイメージ~幼児期の終わりまでに育ってほしい姿との比較を通して~」として、日本応用教育心理学会に論文を提出した(現在、審査中)。その中で、自尊感情が高い子どもイメージは保護者と保育者の視点で共通する部分と異なる部分がみられることが示唆された。また、整理したカテゴリーごとにテキストマイニングを用いて、保護者、保育者ともによく使用されている文言を抽出し、38の尺度項目を作成した。12月~1月には、38の尺度項目を研究協力園の4、5歳児担任(7人)と、保護者に実際に使用してもらい、分かりにくい文言について、自由記述で意見を聞いた(4、5歳児各学年1クラスずつに配布、34人が回答)。その結果、保護者からいくつか修正案が出され、より具体的な姿が思い浮かべられるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は【自尊感情尺度の項目の検討】を行うことが研究の主要な目的であった。 ①保護者、保育者から得られた文言を用いて幼児用自尊感情尺度の項目(38)を作成した。 ②保護者、保育者の自尊感情が高い子どもイメージの回答の比較を行った。 ③項目文言の分かりやすさについてのアンケートを行い、文言修正についての意見を募り、項目の検討を行った。 以上のことから、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
①項目の文言の分かりにくさに関するアンケート調査時に得られたデータをもとに項目の評定分布や相関、因子分析等を行い、本調査(平成30年7月~8月調査予定)に向けた予備調査を行う。 ②保護者、保育者約300人~500人を対象に尺度項目決定に向けた本調査を行う。 ③開発した幼児用自尊感情尺度の妥当性、信頼性の検討を行う。 ④保育現場で実際に幼児用自尊感情尺度を用いて事例研究を行い、幼児の主体性と自尊感情の育ちの関係を明らかにするとともに、保育現場への応用性について検討する。 ⑤幼児用自尊感情尺度と幼児の自尊感情の育ちに配慮した保育方法に関するパンフレットを作成し、配布する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力等について、アルバイト雇用を予定していたが、全て自分で行ったことで人件費が発生しなかった。翌年度の調査では、多忙を極める保育者へのアンケート調査、およびインターネット調査等を予定しているため、残金をこれらの調査を行う際の費用の一部として充当したい。また、科研費の交付時期の関係で、前期に行われた学会の旅費として使用できなかった。翌年度は、旅費の計画的な使用を行う。
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