研究課題/領域番号 |
17K18684
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研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
瀬田 広明 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20311037)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | UAV / 操船 / シミュレータ / 鳥瞰視点 / 俯瞰視点 / 一人称視点 |
研究実績の概要 |
研究実施計画では,平成29年度は「実船での多視点映像表示システムの開発と操船シミュレータによる操船実験」を実施する予定であった。 多視点映像表示システムの開発では,自船とその周辺環境(他船や陸岸など)を鳥瞰的または俯瞰的に映出するためUAV(DJI ドローン PHANTOM4 PRO)を用いた。UAVはカメラ映像を無線により送信する機能を有するので,その映像を船橋内にいる操船者にリアルタイムで提供することで操船支援システムとして使用することが可能となる。映像視点の変更は,映像表示モニタ内に表示される高度と船橋からの前後位置を入力することでUAVがその位置に移動し,そのまま対象船舶を自動追尾することで達成される。しかしながら,UAVのバッテリー容量による飛行時間の問題,および船舶に搭載されているレーダの電波とUAVの使用電波が干渉して稀にUAVが予想外の行動をとることがあった。 操船シミュレータによる実験は,対象船舶を4000TEU級のコンテナ船として浦賀水道航路から中ノ瀬航路へ入るシナリオを作成した。他船や風潮流の影響を取り除いた条件とすることで操舵時期や操船意図が明確になるようにした。実験時の視点は一人称視点(通常の操船状態),鳥瞰視点(自船上空からの映像),俯瞰視点(自船後方上空からの映像)とし,被験者は本校の学生30名(3年生15名, 5年生15名)と有資格者3名とし,各被験者は一つの視点のみで操船実験を行い,習熟効果が出ないように配慮した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画では,平成29年度は「実船での多視点映像表示システムの開発と操船シミュレータによる操船実験」を実施する予定であった。実船での多視点映像表示システムの開発ではUAVを用いることにより幾つか問題点が残ったが概ね達成することができた。一方の操船シミュレータによる操船実験では、学生および有資格者を対象とした実験を行った。以上より、現在までに当初の予定通り進んでいることから,「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度である平成30年度は,UAV を用いた多視点映像表示システムで見つかった問題点を減じる方法を模索する。また,操船シミュレータによる実験結果から視点(視認範囲)の違いがもたらす操船行動(航跡,制御機器の操作量や操作回数,心理的負担など)の比較を統計的に分析すると共に,操船の安全性評価を実施し客観的数値指標のもとで検証する。併せて,操船シミュレータと実船での教育訓練効果の違いや,操船視点を変更させることによる利点・欠点を究明し,聞き取り調査やアンケート調査の分析結果から,より効果的な操船訓練の方法を導きだし,教育課程に反映する。
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