PISAでは、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野の成績を問題とする。本研究では、他のリテラシーの影響を排除した真のリテラシー得点を評価する方法について論ずる。日本では、3分野の得点には78%以上の高い相関があり、真のリテラシー得点の抽出は容易ではないことが分かった。PISA2015の科学的リテラシーの各問の正答率と無答率を分析では、日本の15歳児はPISAの評価の枠組みの下位要素のいくつかに強みと弱点を持つ。また、男女間で得意不得意の差がある下位要素が見いだせた。このことから真のリテラシーの存在は否定できない。しかし真のリテラシーのみを抽出方法については、なお今後の課題である。
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