傷害は,子どもにとってもっとも身近な健康問題であるにも関わらず,現状,子どもが傷害予防の重要性について学ぶ機会はほぼ皆無である.本研究の社会的意義は,第一に,学校の授業の一環として本研究に参加することで,自分自身や友達の安全のために自分に何ができるかを考え,実際に活動を展開していく機会となったこと,第二に,本研究で実施した安全授業を通じて,課題の発見‐予防策の提案‐予防活動の実施までを一つのループでつなぎ,児童主体による学校安全に関する知識の知識化と,その知識を安全活動にフォードバックする安全知識循環システムを確立できたことで,我が国の科学的な学校安全活動のあり方を具体的に示すことができた.
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