• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

「真の自分の声」を用いた自己認識の神経基盤の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K18693
研究機関東京大学

研究代表者

四本 裕子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580927)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード音声知覚 / 自分の声 / 聴覚皮質
研究実績の概要

本研究では、録音して聞く「自分の声」に違和感を覚える人間の知覚特性に着目した。骨伝導を介して聞く自分の声を「own voice」と定義し、そのown voiceを再現するフィルタを作成することを目指した。実験では、被験者本人の音声を録音し、その録音にローパスやバンドパス等のフィルタ処理を行った。さらに、被験者本人がown voiceを再現するために様々にパラメタを調整することにより、より詳細なown voiceの再現を目指した。実験の結果、own voiceとされる音声の特徴は被験者ごとに大きく異なることが明らかになった。これらの結果をまとめた論文が2018年度前半にPlosOne誌に掲載された。本年度は、このown voiceのフィルタ特徴を、MRI室の環境で作成し、さまざまなフィルタ処理を施した音声刺激を被験者が聞いているときの脳活動を測定した。まず、MRI室内でノイズキャンセリングヘッドホンを使用する場合、防音室で測定した知覚判断とはある程度の相関はあるが、必ずしも一致しないことを確認した。その上で、MRI室内で、被験者に自分の声らしさの知覚判断をさせる実験方法を確立した。実験の結果、もっとも自分の声らしいと知覚される音声を聞いているときは、そうでない時に比べて、聴覚皮質の活動が低減することが明らかになった。この結果は、自分の発声時には自分の声を抑制するという先行研究の知見と合致するものである。脳機能計測の結果は、国際誌に投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

初年度に行った行動実験の結果を論文として発表した。さらに、その行動実験を発展させたMRI実験を行い、論文として発表できる結果を得た。

今後の研究の推進方策

2018年度に得られた脳機能実験の結果を学会で発表し、査読つき国際誌論文として発表する。さらに、これまでの一連の実験から発想を得た研究を推進する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Auditory traits of "own voice"2018

    • 著者名/発表者名
      Kimura M. & Yotsumoto Y.
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 13(6) ページ: e0199443

    • DOI

      https://doi.org/10.1371/journal.pone.0199443

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Optimal Multisensory Integration Leads to Optimal Time Estimation2018

    • 著者名/発表者名
      Murai Y., & Yotsumoto Y.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 8 ページ: 13068

    • DOI

      doi:10.1038/s41598-018-31468-5

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi