グローバル化やテクノロジーの発展に伴い、今や誰もが「異文化」に接する機会を経験する可能性がある。本研究では、異文化を新規な行動パタンと定義し、実証実験を行った。参加者には架空の異文化についてシナリオを呈示し、行動例およびその行動に対する社会的フィードバック(肯定・否定)により規範の学習を促した。研究の結果、1)異文化間の差異を尊重する態度は、規範の帰納的な推論成績と関連したこと、2)行動に対する報酬のほうが罰よりも異文化規範の学習を促進したこと、3)相互協調的自己観の高さが学習プロセスの効果を調整したこと、および4)敏感な感情反応を示す人ほど学習成果が高かったことなどが明らかとなった。
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