研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、先天性視覚障害児の室内空間における空間認知について、認知地図、空間イメージ操作、実空間での定位と移動の指導(歩行指導)により検討した。その結果、先天性視覚障害児の場合、室内空間において、多くは「ルート型」の認知地図を形成しており、外部参照枠を活用することで空間知識が促進されるという知見を得た。一方、認知地図を十分形成できていない「前表象型」の段階にある者も存在した。これらの者は、外部参照枠による左右認知と空間的視点取得による空間イメージ操作に困難性があるという特徴が確認された。
視覚障害教育
本研究では、先天性視覚障害児の空間認知能力評価システムを構成した。空間認知評価システムは、空間認知の発達段階をふまえて、自己中心の左右認知、他者中心の左右認知、空間的視点取得、心的回転の4つの空間課題により構成された。評価システムを活用することで、先天性視覚障害児の空間認知の実態を把握することが可能となる。今後、評価システムが視覚特別支援学校における歩行指導等で活用されることが期待される。