作り笑いは、可笑しみを伴う自然な感情ではなく表面的・意図的な笑顔による笑いであり、人との良好な関係を築く際にだれもが体験する表情表出である。自閉スペクトラム症者(以下、ASD)はどのように作り笑いを理解しているかと検討した結果、作り笑いの判別は、ASDの障害のない定型発達者の方がASD者よりも正確であり、この正確さは社会的スキル尺度と関連があることが示された。ASD群のなかでは、作り笑い判別率の高得点者と低得点とのあいだの視線の違いがみられた。結果について、ASD者がひとの気持ちを理解する際に、直感的に理解するか、言語的推論に基づき理解するか、全体的な状況から判断するか等の観点から考察された。
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