本研究のWistarラットにおけるSPS負荷後の視覚野の萎縮は先行研究(Yoshii et al., 2017)と一致しており、視覚野がストレス感受性領域である可能性が検証された。一方、WKYラットにSPSを負荷した結果、内側前頭前野・体性感覚野・聴覚野・扁桃体が肥大していることが判明した。WKYとWistarの遺伝的差異がストレス後の脳の形態変化に大きな影響を与えることが示唆された一方で、遺伝的要因による脳のストレス後の肥大は報告がほとんどなく、この結果はPTSDなどの疾患における臨床研究での萎縮部位の報告が一致しない要因となる可能性がある。
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