本研究課題では、 (1)ラットにおいてフリーライダーへの報酬分配を避ける行動(フリーライダー忌避)が生じるか否か、(2)社会的な階層がフリーライダー忌避行動に影響するか否かを明らかにすることを目的とした。実験1では、自らのレバー押しの結果供給された餌を他個体が消費してしまう場合には、より早くレバー押しをしなくなることが示された。このことは、ラットがフリーライダー忌避を示すことを示唆している。実験2では、ペアで飼育し、餌を供給する側と供給される側を交互に経験したラットでは、そもそもフリーライダー忌避が生じず、社会的な優位性がフリーライダー忌避の程度に影響するかどうかを検討することができなかった。
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