研究課題/領域番号 |
17K18717
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研究機関 | 精華女子短期大学 |
研究代表者 |
村井 千寿子 精華女子短期大学, その他部局等, 講師 (90536830)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 瞬き / 記憶 / 視線計測 |
研究実績の概要 |
認知心理学的研究の多くでは、実験の結果として示される主体の課題成績から当該の認知活動の可否やその程度について推測・考察する方法が一般的である。しかし、課題中に主体がどのような認知活動、例えば注意や情報処理等、をしていたか、それが課題成績にどのように影響していたかを知るには、脳活動などの生理指標の計測が必要とされる。 本研究の主な目的は、課題遂行中の主体の内的な認知活動を反映し、さらに主体の課題成績を予測し得る指標、とくに外部から簡易に計測できるあらたな指標の可能性を探ることにある。これまでの先行研究から、主体による情報処理や注意のリセットなどの内的な認知活動と自発的瞬きとの間に関連が見られることが示されている。そこで、本研究では、記憶課題中の自発的瞬きと、先行研究で示されたこれら内的な活動との関連をあらためて検討すること、さらに自発的瞬きが主体の課題成績を予測するかどうかを明らかにすることを目的とする。 H29年度は実験環境を新しく構築する必要性から、必要機材の準備や実験室の整備などを中心に作業を進めてきた。また、先行研究の調査をもとに、実験デザインの作成と、刺激提示および視線や瞬き反応の計測用の実験プログラムの作成も並行して行ってきた。これらはH30年度に行うヒト成人を対象とした実験に活用する。実験は当初の研究実施計画通り、まず動画視聴時のヒト成人の自発的瞬きの特徴を知るためのモデルデータの収集、これらモデルデータを反映させた記憶実験刺激と課題の作成、および実験を介した自発的瞬きと課題成績との関連の検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
所属大学の異動により、本研究課題を実施するための実験環境の整備から始める必要が生じたため。実験室の確保・整備や必要機材の準備などに時間を要しているが、並行して、実験デザインや実験プログラムの作成などを進め、研究実施に向けた準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度はおもに実験環境の整備に時間を要したが、それと並行して、関連文献の調査や実験デザインの立案、実験プログラムの開発準備などを進めてきた。 H30年度はそれらをもとに実験を実施する。実験は当初の研究計画通り、ヒト成人を対象とした実験を行い、まずは、自発的瞬きの基礎データの収集、それを土台とした実験刺激や課題の作成と実施を進める。実験データは順次解析を進め、課題の調整や問題点の改善などを含めながら研究を遂行する予定でいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
H29年度は所属大学の異動のため、当初の研究計画実施の予定が遅れてしまった。そのため、予算として計上していた成果報告に向けた学会参加のための旅費、実験実施における謝金等の使用額が予定よりも少なく、次年度使用額が生じる結果となった。
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