本研究ではヒトとマウスに共通の行動的・生理学的指標に着目し、同一の個体から多岐にわたる表現型データを収集し、多角的解析による発達障害の新たな生理学的指標の探索を行った。発達障害の診断基準には言語的発達も含まれるため、従来はおおよそ3歳以降にならないと確定診断をすることは困難であった。従来の診断基準には含まれない生物学的特徴は早期診断の補助となる可能性が期待されている。 本研究の結果、従来の発達モデル動物とは異なる行動表現型を示す変異体が見出された。今後、血液生化学といった生物学的指標についても解析を行うことで、予測妥当性を持つモデル動物の開発とそれによる早期診断の確度向上が期待できる。
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