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2017 年度 実施状況報告書

トロピカル幾何学のPentagram写像と離散モース理論への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K18725
研究機関京都大学

研究代表者

加藤 毅  京都大学, 理学研究科, 教授 (20273427)

研究分担者 辻本 諭  京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60287977)
岸本 大祐  京都大学, 理学研究科, 准教授 (60402765)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワードトロピカル幾何学 / 箱玉系 / ピットマン変換
研究実績の概要

トロピカル幾何学に現れる箱玉系は、基本的には系の相空間が半無限ではあるものの、ダイナミックスの主体である玉の数は有限である。玉の数が無限個あるダイナミックスに拡張することは非常に自然な発想であるが、それにはある種の解析的な統制を行う必要がある。今年度は、D.Croydon, M.Sasada, S.Tsujimotoらと共同研究を行い、確率論的手法を用いることで、無限個存在する玉の配置空間に、ある種の密度に制限をつけることで、両無限ランダム箱玉系の構成を行った。そこで重要な役割を果たすのが、ピットマン変換と呼ばれるもので、各座標上玉の数のグラフに対して、それの反射を与えるような、幾何学的に構成されるダイナミックスである。このダイナミックスと箱玉系のそれとの関連は具体的に記述することができる。それを導入することで、両無限ランダム箱玉系の様々な性質を調べた。特にエルゴード性や、ランダム固定点の存在条件など基本的な問題に関する解析を行った。そこで展開された力学系の相空間は、非常に安定したreasonableな部分集合を選択したが、一方でそれは極大サイズではない。ある種の弱い位相的な条件のもとでは、力学系が定まる極大部分集合は局所的な条件で定まることがわかり、その局所条件を完全に書き下すことを現在継続して行っている。箱玉系は可積分系のみならず、トロピカル幾何学において最も重要なテーマの一つである。トロピカル逆変換を施すことで、区分線形写像が有理写像に移り、特に箱玉系ダイナミックスは離散KdV方程式と対応している。一方でここで展開された、ピットマン変換が定める力学系の逆トロピカル変換に対応するものは現在のところ知られておらず、それは今後の研究テーマとなる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

トロピカル逆変換は、区分線形写像と有理写像の間の対応を与える。今年度は区分線形写像に対応する力学系を確率論的立場から解析を行った。一方で、トロピカル幾何学の主題は、力学系のスケール変換を与えることで、対応する2つの力学系の軌道の間の大域解析的な比較を行うことにある。ここで展開された、ピットマン変換が定める力学系の逆トロピカル変換に対応するものは現在のところ知られておらず、それは今後の研究テーマとなる。

今後の研究の推進方策

これまでの研究方針を継続して行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度に開催する予定でいた国際研究集会は、メインの講演者の都合により開催を延期し、平成30年度に行うことになったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] University of Warwick(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Warwick

URL: 

公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-02-22  

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