研究実績の概要 |
本研究は、代数分野に現れるホモロジカルな圏論として、ホモロジー代数の重要な舞台である完全圏・三角圏とその周辺の一般論を発展させることを目的としている。中心的課題としては、完全圏と三角圏を統一する圏のクラスでのホモロジー代数理論の展開を挙げている。手法としては、以前に導入したextriangulated categoryという概念を発展させることを想定している。 完全圏・三角圏で知られているAuslander-Reiten理論をextriangulated categoryにおいて考察した30年度に作成したプレプリントは、31年度も引き続き改訂を行った。これに関連して30年度に作成したgentle algebraのAvella-Alaminos-Geiss不変量について調べたプレプリントは、31年度に改訂ののち論文誌に投稿した。 また、n(+2)-角圏とn-完全圏・n-アーベル圏を統一的に扱う圏のクラスとしてn-exangulated categoryという概念を定義し基本的な性質を調べたプレプリントについては、現在も査読待ちである。 一方、"Hearts of twin cotorsion pairs on extriangulated categories"(Yu Liu氏との共著)および"Extriangulated categories, Hovey twin cotorsion pairs and model structures"(Yann Palu氏との共著で、プレプリント"Mutation via Hovey twin cotorsion pairs and model structures in extriangulated categories"の改訂版。レフェリーの勧めでタイトルが変更されている。)はいずれも改訂後論文誌に掲載された。
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