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2018 年度 実施状況報告書

双対量子群による基本群の量子化

研究課題

研究課題/領域番号 17K18728
研究機関早稲田大学

研究代表者

村上 順  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90157751)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2020-03-31
キーワード結び目 / 量子群 / 表現論 / ジョーンズ多項式 / 体積予想 / 基本群
研究実績の概要

結び目の基本群の SL(2) 表現について、その双対に対応するホップ代数の量子化を用いて、基本群の SL(2) 表現の量子化に当たるものを構成した。
SL(2) の双対に対応するホップ代数とは、SL(2) の座標環に群構造から自然に定義されるホップ代数の構造を入れたものであり、このホップ代数の量子化は S. Majid により組紐型の量子群として構成されていたのであるが、本研究では、結び目からこの組紐型の量子群に対して自然な対応が定義できることを示した。また、組紐型の交換関係というものを満たす任意の組紐型のホップ代数に対してもこのような構成ができることを示した。
また,結び目の体積予想に関係して、結び目のカラードジョーンズ多項式から出来る体積ポテンシャル関数から結び目補空間の体積ばかりでなく、ライデマイスタートージョンと呼ばれるものが得られることについて A. Tran 氏と共同研究を進めることができた。
さらに、日本学術振興会の海外特別研究員として2018年10月より早稲田大学に滞在している M. De Renzi 氏と、半単純ではない表現に対応する位相的場の量子論についての研究を行っている。De Renzi 氏は一般的な設定のもとでの位相的場の量子論の構成法を得ていたのであるが、これを発展させ、量子群やテンパーリー代数のパラメーターが1のべき根となった場合に現れる半単純でない表現が本質的に現れるような場合についての具体的な理論の構築を目指し、おおよそのプログラムを得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

結び目の基本群の SL(2) 表現について、その双対に対応するホップ代数の量子化を用いて、基本群の SL(2) 表現の量子化に当たるものを構成し、論文にまとめて投稿する段階にまで進んだ。
SL(2) の双対に対応するホップ代数とは、SL(2) の座標環に群構造から自然に定義されるホップ代数の構造を入れたものであり、このホップ代数の量子化は S. Majid により組紐型の量子群として構成されていたのであるが、本研究では、結び目からこの組紐型の量子群に対して自然な対応が定義できることを示した。
また,結び目の体積予想に関係して、結び目のカラードジョーンズ多項式から出来る体積ポテンシャル関数から結び目補空間の体積ばかりでなく、ライデマイスタートージョンと呼ばれるものが得られることについて A. Tran 氏と共同研究を進めることができた。
さらに、日本学術振興会の海外特別研究員として2018年10月より早稲田大学に滞在している M. De Renzi 氏と、半単純ではない表現に対応する位相的場の量子論についての研究を行っている。De Renzi 氏は一般的な設定のもとでの位相的場の量子論の構成法を得ていたのであるが、これを発展させ、量子群やテンパーリー代数のパラメーターが1のべき根となった場合に現れる半単純でない表現が本質的に現れるような場合についての具体的な理論の構築を目指し、おおよそのプログラムを得ることができた。

今後の研究の推進方策

結び目の基本群の SL(2) 表現の量子化の1つの構成を得ることはできたが、量子不変量との関係について調べてていく。とくに AJ 予想と呼ばれる結び目のカラードジョーンズ多項式と A-多項式とを関係付ける予想との関係が大変興味深いのであるが、これには表現の行列に当たるものの固有値が大変重要で、固有値の量子化に当たるものが何かがまだわかっていないので、これを明らかにすることで多くの量子不変量との直接的な対応が見えてくるものと期待している。

次年度使用額が生じた理由

次年度に海外からの研究者を呼ぶ研究集会の予定が入ったため、本年度の使用を控えた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] チューリッヒ連邦工科大学/ヌーシャンテ大学(スイス)

    • 国名
      スイス
    • 外国機関名
      チューリッヒ連邦工科大学/ヌーシャンテ大学
  • [国際共同研究] テキサス大学ダラス校(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      テキサス大学ダラス校
  • [国際共同研究] パリ第7大学(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      パリ第7大学
  • [国際共同研究] ニューヨーク大学アブダビ校(アラブ首長国連邦)

    • 国名
      アラブ首長国連邦
    • 外国機関名
      ニューヨーク大学アブダビ校
  • [雑誌論文] From colored Jones invariants to logarithmic invariants2018

    • 著者名/発表者名
      Jun Murakami
    • 雑誌名

      Tokyo Journal of Mathematics

      巻: 41 ページ: 453-475

    • DOI

      10.3836/tjm/1502179244

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Combinatorial decompositions, Kirillov-Reshetikhin invariants, and the volume conjecture for hyperbolic polyhedra2018

    • 著者名/発表者名
      Alexander Kolpakov, Jun Murakami
    • 雑誌名

      Experimental Mathematics

      巻: 27 ページ: 193-207

    • DOI

      10.1080/10586458.2016.1242441

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Volume conjecture for the logarithmic invariant2018

    • 著者名/発表者名
      Jun Murakami
    • 学会等名
      Volume Conjecture in Tokyo
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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