本研究は市販の希釈冷凍機で到達可能な温度より低温の超低温領域(~1mK)まで強相関電子系研究を拡張するための技術開発と物性測定を目的とした研究である。本研究によって小型ポメランチューク冷却セルが完成し、そのテスト運転を行った。いくつかの問題から最低温度の確認には至らなかったが、これらの問題を克服するめどが立ったことで超低温における物性測定を加速させるという当初の目的をほぼ達成することができた。加えて、CeCoIn5における超低温測定からこれまでの温度領域では観測できなかった秩序相が観測できた。この結果により、超低温領域における物性測定を様々な物質に応用できる礎ができたと考えている。
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